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フランス人の知的探究心

フランスにきて、毎日ではないけれど、数日おきに博物館や美術館を訪ねている。パリは市の規模が小さから、メトロやバスで気楽に行ける。

もういくつ行っただろう。ルーブルやオルセーといった大型の美術館は避けている。待ち行列が長いからだ。
それにしても、人出は多い。観光客もいるだろうが、ほとんどはフランス人の年配者だ。これはきっと日本でも同じことなのだろう。日本で、つまり東京で人混みが嫌で、ほとんど出かけないので、博物館、美術館の混み具合はテレビの報道で知るのみだが、特別展など、日本の方がすごいかもしれない。

先日、アラブの世界研究所Institut du Monde Arabeに行った。年末の忙しい時期、きっと閑散としているだろうと思っていいたのだが、豈図らんや、行列ができている。そして、その行列が動かない。

そこでは東方のクリスチャン、2000年の歴史という特別展が行われていた。宗教は興味を引くらしい。ベールをかぶったアラブ系の人も結構いる。館内に入るため、切符を購入するため、そして展示会場へ入るため、3回の行列ご、会場にはいったものの、人がいっぱいで動けない。入場制限すらしていたのに。

説明書きがいたるところにあり、小さい文字で、大変な量の説明が書かれている。みんな丹念にに読んでいるから、動かないはずだ。
私はあきらめた。この人波を見ただけで疲れた。興味はあるけれど、丹念に読んでいく気力はない。展示物も、人の隙間から見るだけだ。

東方のクリスチャニスム、相当の関心を呼んでいる。中東系の人も、子供に丁寧に説明している。
1人で行ってよかった。こんな無教養むき出しの見方をしたら、きっとバカにされたことだろう。

日本では、キョウヨウ、すなわち今日は用事がある、で、教養の意ではなかったツケが出てしまった。
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ほとほと困ったspam メール

ピンという音がする。受信だ、と喜んで開けてみると、知らない人、あるいは団体からの迷惑メールである。
時差の関係で、朝、起きてみると、相当数のメールが入っている。

どうしてこんなことになるのだろう。メールを交換しているのは、ごく限られた人とだけなのに。

すぐに消してはいるけれど、ブロックがかけられない。早く日本に帰って、対策を講じたい。IT 音痴の弱い部分である。
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マリエトゥという人

この年末年始の2日間、心温まる日を過ごせた。というのは、休日シフトで助っ人に来てくれたお手伝いさんがとてもいい人だったからだ。

31日の午後から、1日夜まで、泊まっていくというので、少し心配だった。テレビの部屋のベッドを使ってもらうのだが、お風呂は共有になるのか、テレビの部屋で何時まで見ていてもいいのか、もし気難しいひとだと、私の存在を迷惑視しないか、いろんな心配があった。

ところが、31日夕方5時頃帰ると、台所で働いている。背の高い、すらっとした女性だ。初対面の挨拶をする。笑顔がとても素敵だ。心からの笑みだ。


もう、夕食の準備をしているというので、アントレには生牡蠣を買っていることを告げる。引き継ぎは受けていない。生牡蠣を開けられるか、と聞くと、開けたことはないがやってみます、と肯定的、積極的な返事がかえってきた。

午前のいつもの人があまりに否定的な言動をする人なので、少し萎縮していた私としては嬉しい返事だ。早速、二人で殻開け作業に取り掛かる。初めての彼女には無理だった。でも、開けます、と言ってくれただけでも嬉しかった。

料理にも心を配っている。代父の好みも承知しているし、生牡蠣だったら、白ワインですね、と在庫を調べている。冷蔵庫のワインが残りすくないと知ると、買ってきます、と直ぐに出かけてくれた。雨の中をである。

テレビも見たいだけ見ててください、私は別の部屋で、アイフォンで観ていますから、と快い気配りだ。
バスルームにしても、トイレは玄関脇のトイレを使うし、シャワーを明朝使うけれど、早い時間ではない、と私がbathを使うことは全然構わないという。

代父に対する態度も尊敬を込めて、実に優しい。そうか、こういう風に言うのだな、と参考になること、夥しい。

31日、代父がベッドルームに引き上げ、私も自室に引き上げようとすると、もしよかったら少し話しませんか、と言う。

身の上話が始まった。彼女はセネガル出身、40代、仕事は別にあるのだが、旅行などの費用を稼ぐために、週末など、助っ人業をしているのだそうだ。学生時代、住み込みで高齢者の世話をしたことがあるので、世話には慣れている、とのこと。
学校では法学を学んだそうだ。会話が知的な筈だ。

こちらからは、代父とどうやって知り合ったのか、やなぜこの年末年始をここで過ごしているか、を説明する。彼女は独身、つい2週間前に故国で父親が亡くなったという。彼女は父親の思い出、私は連れ合いの思い出、涙グミながら語りあった。

久しぶりにbonne volonte の人と巡り合った気がする。楽しい大晦日と元旦を迎えることができた。
こんな巡り会いがある人生、もっと続けていこう。
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Bien mange, bien bu

95歳の父と私では、レヴェイヨンのご馳走も、元日のお祝いも大したことはする気になれない。

従って、31日は夕食に生牡蠣くらいで、特別なお料理はなかった。臨時のお手伝いさんがとてもいい人で、美味しいお料理を準備してくれた。

元日の今日も、朝には、わざわざ遠くのパン屋さんに行って(近くのお店はお休み)、私にはパン オ ショコラを買ってきてくれた。昼はスモークサーモンを綺麗に盛り付けてくれたし、心のこもった
食事が何よりのご馳走だった。

台所の隅には4本の酒の瓶が並んでいる。ポルトー酒、シャンペン、赤と白のワインの瓶だ。これを全部飲み上げたのね、とお手伝いさんが言う。95歳と私の2人でね、と私。お手伝いさんはモスレムだからアルコールは飲まない。

大酒飲みと思われるわね、と思うが、真実は全て、ちょっぴり残っていたものを、それぞれ飲みあげたというだけ。

海の幸の盛り合わせやローストビーフ、大きなケーキ、食べたいものはあるけれど、食べられるかどうか、それが問題だ。日本にいてもきっとおせちなど作りはしなかっただろう。

こうして身の丈にあった食事を美味しく、感謝しつついただけることが、良く食べ、よく飲んだ、なのかもしれない。
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