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金のなる木のある家

先日、村の健康診断があった。血圧、血液、心臓などの実態のある検査のほか、生活に関する問診票があった。
その中の質問に、生活に余裕が、1)とても厳しい、2)少し厳しい、3)少し余裕がある、4とても余裕がある、(この返答は正確ではないが)というのがあって、はて、我が家はどの返答になるのだろう、と迷った。

年金生活者である。それ以外の収入はない。
昨年、今年とコロナで閉じこもりの生活、どうにか年金で収めている。といっても、本当にそうかどうかは、年末で家計を締めてみないとわからない。月々、黒字でも、税金、車、家の修理、家電の買い替え、とてつもない金額が出ることもあるからだ。

しかし、その返事に3を選んだ。なぜなら、我が家には「金のなる木」があるからだ。
よく、友人と話すとき、家計のひっ迫をぐちったあとで、「金のなる木」がほしいということがある。
そういうことなら、我が家にはちゃんと「金のなる木」が存在する。

一昨年の冬、寄せ植えの集まりで、シクラメンなどの花に添えて、多肉植物を1本添えた、それが金のなる木だった。
シクラメンなどは枯れてしまい、この金のなる木は別の鉢に移した。
それ以来、極寒の冬も耐えて、育っている。少し、大きくもなった。

さらに、なんと、夏の間、外に出していたら、鳥がエサで食べるひまわりの種を鉢に落とし、それが芽を出し、冬を越え(室内にいれて)、成長し、8カ月をかけて花が咲いた。
とても小さな花ではあるが、ひまわりの花だ。

なんで「金のなる木」と呼ぶの?と友人の一人に聞いた。その友人は、この名前が直截的でいやだ、という。
私はわかりやすいと思うのだが、学名であるはずはない。

ベンケイソウ科クラッスラ族の多肉植物。
正式名:クラッスプ・ポルツラケア、園芸名:カゲツ(花月)、成金草、
なのだそうだ。

金のなる木の名の由来は、新芽が小さいうちに5円玉の穴に通しておき、そのまま成長させて、5円玉が抜けない状態にし、枝にお金がなったように仕立てたものが流行した。その姿から成金草ともよばれる、のだそうだ。

金のなる木はずいぶん昔から目にしていた。わが生家にはなかった。金のなる木を育てる余裕もなかったのだろう。
田舎での話だが、裕福な家、旧家やお商売の家などの玄関によく大きな鉢植えをみたものだ。
そのとき、どこかで5円玉の埋め込まれたのもみた記憶がある。

さて、我が家の金のなる木、木はあっても金はない。
一人暮らしとなって、つましく暮らすことに慣れた。
現金をあまり使わない生活だから、5円玉を埋め込むこともできなかった。
カード決済、預金からの引き落とし、金のなる木が活躍する場はもう存在しない。

しかし、このあまりに直截的なネーミング、いつから、だれが言い出したのやら、呼称で登録しておけば、相当お金になったのでは?
と思うが、その痕跡はたどれない。

とても強い、水やりも気にせずにすむ植物だから、ずぼらな私の家にも生き続けられるけれど、これも枯らすに枯らせない。もし、枯れてしまって、そのあと、お金の問題でも出たら、と結構神経を使う。

ある若い方に、5円玉を付けてあげるから、金のなる木、もらって、と頼んだが、「そんなのいりません」とノーの即答だった。

この金のなる木があるから、健全財政が保っている、と信じて暮らしていこう。

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いしかわとしえ

金のなる木、ホントにお金が降ってくることはないけれど、そのネーミングに惹かれて買い求めたくなる植物ですよね!安子さんの暮らしは十分豊かです笑。
by いしかわとしえ (2021-04-27 17:59) 

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