SSブログ

嵐山で観光人力車に乗りました

大阪での所用の前日泊をするのに、京都を選んだ。
大阪に泊まった経験は遠い昔のことだし、所用のある場所が京都よりのところにある。
同行者の勧めで、前泊は京都、となった。

なぜか、京都へ行くとなると、東京発が早めになった。
何という上天気だったろうか、老女2人の旅行がこんなに祝福されたものになるとは!
富士山はキラキラ光って、その裾野から山頂まで、その雄姿を惜しみなくみせてくれている。
座席はちゃんと進行方向に向かって右側確保、富士山もさあ、撮ってくださいとモデル精神を惜しみなく示してくれた。

そして、京都着。この老女二人、一人は京都に何度も来ているが、もう一人、つまり私は、この数十年京都には来ていない。
宿は初めてのところ、まずは荷物を預けて、とホテルに行くバスでもたもたしてけれど、どうにか、ホテルにたどり着く。

ホテルの受付も親切で、荷物を預け、ハンドフリーになったところで、すぐ前に見える、嵐山行の電車に乗ろうと話は決まった。

話には聞いていたが、京都の交通機関、外国人にも便利であるように、とずいぶんキャッシュレスになっている。
バスも電車も、スイカのはいったカードを使用できるわかると、われわれ、小銭の計算もしなくていいと、カードを片手に大きな気持ちで、電車に乗り込んだ。
始発地点から終点まで、気分も楽だ。

嵐山駅に到着した。
人がうじゃうじゃいる。我々もそのうじゃうじゃの一人、いや二人なのだが。
着物姿の人が多い。しかし、その姿、「京都、大原三千院、恋につかれた女がひとり」というような雰囲気ではなく、着物姿ではあるが、帯は新スタイル、履物は靴もある、いまどきの、SNS映えするスタイルだ。
我々は、SNS映えどころではない。靴はズック、なんとも古めかしいスタイルのパンツルック、なんせらくちんだけをモットーにしている。

そんな我々が若い男性に声をかけられた。
ちょっと興奮!イナセな男性だ。
観光人力車の車夫の男性だ。人力車にのりませんか?というお誘いだが、とても感じがいい。
東京から京都へ、別にそんなに歩いたわけでもないのに、もう疲れ切っている。
二人して、人力車で観光、と決めた。

二人とも、しっかり危機に備えて、脂肪をためこんだ体形、もしかしたら、体重過剰で別料金かも、と聞くと、いえいえ、大丈夫です、という返事。ちょっと安心する。
二人のりの車、そう大きくはない。ヒップ大き目の二人、ちょっと重なるけれど、折り合いはつく。

特別、京都に詳しいわけではなく、その日も時間があるから、という目的意識のない旅、嵐山の雰囲気を感じさせてくれるというコースを走っていただくことにする。

まあ、とても楽しかった。
人力車にのって、赤いひざ掛けをかけてもらうと、まるで、なにか映画のシーンのような、という表現は昔、しっかりSNSムードになっている。
車夫の方は、ちゃんと写真にいいポイントで、角度もばっちり、ついでにAI加工までした写真を撮ってくださる。
住所の表記をみても、小さな建物をみても、そこは嵐山、小倉山、歴史にあふれている。
小倉百人一首、最初は「秋の田の」で始まる天智天皇のお歌だけど、100首目はなんだったっけ、と言えば、車夫の方がすっと答えてくださる。
その小倉なんとか、といういわれのある小倉山荘旧址厭離庵?なる場所にも案内してくれる。
落柿舎、テレビにしょっちゅう登場する、大きな竹林、あまり口の葉にのぼることはないけれど、その大きな山門が威厳を示す清涼寺、車を降りて見物するわけではないので、その雰囲気を実感できるわけではないが、老女にはこれで十分だ。

ここの人力車の組合(?)のメンバーは、そういう教育を受けているのか、とても気持ちがいい。
すれ違うときの挨拶、道を譲る際の体の動き、無駄なく、隙なく、所作がきれいである。

2時間の観光、この重量級の老女2人をのせて、すくなからずアップダウンのある狭い道なども人力でこなすにはずいぶんの体力が必要だろう。
関東からきた我々に、最後の挨拶がとてもよかった。できれば、関東までお乗せして、ご自宅へお送りしたいところですが、と。挨拶、お世辞とはわかっていても、あたたかい。

おすすめします、嵐山、人力車での観光!

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。