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油断、備前焼が割れる

昨夜は寒かった。テレビの天気予報でも寒い夜だ、と言っていたけれど、つい油断した。
お昼、備前焼のとっくりにボケの一枝を指して、ベランダに飾り、そのままにしていた。

朝、野鳥用の水が凍っているのに、昨夜の寒さを認識したのだが、備前焼にまで気持ちが及ばなかった。
とっくりの下に水たまりがある。
しまった!
中の水が凍って、ひびがはいったに違いない。

備前焼は大好きな焼き物だ。とっくりだが、日本酒を飲む機会はないので、花器として使っている。
茶花を入れるのに、とても合う。たとえば、トラノオといった花を一枝、それだけで景色になる。
華道というものに縁がなかった私にも、庭に咲く野草などを活けるとき、なくてはならない器だった。

失策はそれだけではすまなかった。ボケをほかの花器に活け替えようと、ひっぱるが抜けない。
まだとっくりの中は凍っているのだ。
強引に引っ張ると、とっくりの底がパクンとはがれた。

「家宝の備前をなんとした、この咎は切腹に値する、いや手打ちにしてくれよう」とご隠居様に叱られそうな場面である。

焼き物やガラスなど、傷つけたり、割れたりするととても気分が悪い。
なにか悪い事の前兆ではないか?と思う。
しかし、ある年配の女性から、「悪い事を、これが割れることによって、身代わり、もの代わりをしてくれている、と思えばいいの」と言われて、ほっとしたことがある。

そしてその年配の女性、昨日、病院を退院された。心臓の手術を受けるため、2週間前から入院中であったが、結局、手術はしないことになったのだそうだ。
いろんな持病があると、手術を受けることにも至らないという。
心臓が治ったわけではない。これからの闘病も困難をきわめるだろう。

この備前が割れたのは、その身代わりなのか?と自分の不注意をさておき、一つの安心材料にしてしまう。

金継ぎなどが可能かどうか、問い合わせてみよう。


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