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フランス王室ニュース

毎日、ラ クロワとル フィガロの2紙を読んでいる。年末年始と、新聞の発行がなく、寂しかった。2日のフィガロを少し丹念に読んでいると、死亡記事が目についた。

Prince Francois d’Orleansの死去のニュースだ。ニュースというより、死去のお知らせと言うべきかもしれない。

フランスは共和国になって、200年以上たっているのに、まだブルボン家の一家はその名を残している。家長はパリ伯、その長男はオルレアン公、息子、娘た地は、それぞれプリンス、プリンセスの称号をもっている。

日本のケースを考えた。今上陛下が来年、生前譲位をされる、というので法的な制度を整えるのにやっきだ。ブルボン王朝も、日本と同じく、男系が相続する。そして、正妻からの子でなければ相続はできない。それでも、ちゃんと王家が続いてきたのは、今では政略結婚ではないだろうが、昔は、子をなすまで、努力の限りであったろうと思う。

日本で200年ぶりの譲位と騒ぐけれど、歴史や前例など、適当に無視していいはずだ。社会がこんなに変化しているというのに、200年も前のこあとを踏襲しようとするなんて、馬鹿げている。

亡くなられたオルレアン公は、1961年の生まれ、生まれた時から障害を負われていたとか。それでも長子として、王家を継承する立場にあったことは、一つの紛争のタネであったらしい。パリ伯より先に亡くなられ、この問題はクリアされたわけだが、革命から200年以上経つ今も、王家が話題になる共和国である。
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フランス版パラサイト

フランスの家庭の中で過ごしてみると、いろんな現実が見える。大体において、裕福な人たちばかりだが、先日のお茶の席で、母親の元で暮らしている50代と思える男性に会った。

頑丈な体つきなのだが、何か弱しい印象だ。目が死んでいる。体を前傾させ、少しふらつくこともある。

彼の母親が、小声で言う。随分長く失業してるの、離婚もして、住むところがなくて、転がり込んできたのよ、放っておくとSDF(ホームレス)になるでしょ、仕方ないわね、と。

その母親の家をおとずれた。ノートルダム寺院のすぐそば、パリのど真ん中にある。6階建;の最上階にある。古いけれど、手入れはされている。

いい場所でしょう?親から相続したのよ、と自分から説明して、家の中を案内してくれた。サロン、食堂、いくつかの小部屋があるのだろう。失業者たる息子が顔を出し、別の部屋から、滞在中の中学3年生という孫も挨拶に出てくれる。

彼女の部屋は、寺院に面した最高の立地条件だ。寺院裏側の公園の先には、セーヌ川も見える。
いい部屋でしょう、大好きな部屋よ、ここで1日過ごしても飽きないわ、という。ベッドは壁に組み込むスタイル、机も、寛ぐ椅子もあって、全てが揃っている。

息子の寄宿で、寝室を譲ったのだろう。

息子も加わって、お茶にする。ビスケット、クッキー、それにミントティー、シンプルだ。
話好きの人で、息子に、こうなった事情を説明するように指示する。
息子は、アメリカ西海岸の大学もでている。成績もよかったとか。出版関係で働いていたという。会社名を聞くと、私でも知っている、世界的な出版社だ。

時代の流れが彼をこんな境遇に落としたらしい。節税なのか、脱税なのか、会社が外国に本拠を移転することになり、移動を拒否した結果、失業したという。そして、それが滑り台を滑り落ちることになり、それから這い上がれないでいる。

もう何年、こんな状態なのか、将来をどうするのか、聞くに聞けない。母親は80代、年金暮らしだろう。夫は悲惨な事故で亡くなったそうだ。家は親からの相続で立派なものがあるけれど、税金や経費も相当払うはずだ。

完全にパラサイト化した息子に、頑張ってね、など言えない。出版業界も日進月歩、一旦離れると、復職は殆ど不可能だと思う。
このままパラサイトを続けるのか、それはいつまで可能なのか、母親の健康にもかかっている。

このステキなアパートも、彼がすんなり相続できるかはわからないし、相続税や他の兄妹への支払いも生じよう、と、要らぬ心配をしながら辞去した。
ノートルダムに来たら、いつでも寄ってね、と温かい声がかかった。
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ミュゼから教会へ

年が新たまり、時間つぶしの目標を変えた。人の多いミュゼから教会巡りだ。

元日はお気に入りのバスに乗って、Eglise St. Francois Xavier つまりフランシスコ グザビエ教会へいった。今年の初詣ならぬ初祈りだ。この教会、気になっていたが、なかなか途中下車できなかった。

フランシスコ グザヴィエは、去年、遠藤周作の沈黙が映画化されたり、箒木蓬生の守教という本を読んで、日本におけるクリスチャンの問題に関心を持ったこと、グザヴィエはその中でも大きな地位を占めていることなどから、彼の名前がつけられた教会に詣でてみたかったのだ。

そして、今日はノートル・ダムに行くことにした。パリの教会の中の本丸である。先ずはここに行くべきか。
昼ごはんを家ですませ、ゆっくり出かけた。1時間ほどかけて、教会の中を見て回るつもりだったのだが、大誤算であった。長い、長い、行列、こんなに人気のある場所だとは!

簡単に諦めた。お祈りの場所は本丸でなくても可能だ。カテドラルだから有り難い場所ではあるが、神がそこにおいでなわけでもない。

教会巡りは2日目にして挫折。明日はサクレクールかマドレーヌ寺院にしてみよう。
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