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チョコレートの争い

代父からチョコレートをもらった。クリスマスのプレゼントらしい。先週、机の上に、フィリアンディーズをあげる人のリストを見つけた。私と甥、4人のお手伝いさんの名前がリストされていた。

その後、ポルトガル人のお手伝いさんが、近くのミニスーパーで買ってきた。このお手伝いさん、気がききすぎて、言わずもがなのことを言う。全部同じものでなくて、変化をつけますね、という。彼女は、甥と私は親族、残り4人はお手伝いさんだが、毎日長時間働く自分とほかの3人に差をつけるべき、と考えているのが見えた。

そんな面倒なことをしないで、ボーナス査定でもないんだから、ここは同じものでもいいじゃない、と思うのは、当事者でないからだ。

昨日の昼、6個の箱がテレビの部屋のベッドの上に並べられた。一つを取って、父は台所にいるお手伝いさんに渡したようだ。部屋に戻ると、私にも、あなたに小さな贈り物と、渡してくれる。プレゼントをもらったときは、ハグするのが習慣。彼の剃り残しの頬が痛い。

程なくお手伝いさんが現れる。どの箱を貰ったのか、確認のためだ。コレよ、と見せると、安い方のをくれたらしい。自分は1番安いのだった、とボヤく。彼女が買い物しているから、どれがいくらか、というのはわかっているのだ。
最も長時間働いてる人へより、1日しか働かない人に、高いのをあげるなんて、と文句たらたらだ。

私にも同じことだと言う。私は一人暮らしだし、小さな箱でいいと思ったのよ、或いは彼は値段を知らないで、適当に選んだのでしょう、と彼のために弁明するが、彼女は納得しない。

だから全部同じものにしておけばよかったのに、と心の中で思う。

結局、夕方、父は彼女に別の箱と交換したいか、と聞いたらしい。どうして彼女の不満に気づいたのか、謎なのだが、ほとんどボケているのに、時々正常に戻る時があるので、そのしゅんかんを見分けるのが難しい。
来年もこの季節にこの家に来るかどうか、彼がまだ存命であるかどうか、生きていても、この家に住んでいられるか、不確定要素は数あるが、次回は同じものを買うべきと助言したが、彼女は相変わらず不満げな表情を見せていた。

げに、食べ物の怨みは怖いものよ。
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