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産めよ増やせよ

誰もが口をそろえて、少子高齢化のことを問題視する。世の中、65歳以上の年寄りばかりになる、とそのことが悲劇であるように言われると、65歳はとうに過ぎている身としては肩身が狭い。

高齢化はもうどうしようもないけれど、少子化は若いひとたちに子供を作ってもらえれば、解決するのに、と思う一方、現状なら子供を産み、育てる環境にないな、と少子化の現実を容認せざるを得ない。

安倍さん、ひっしゃきにこの問題をあげ、保育園の無料化などをあげているけれど、それだけで解決はしないよ、とだれからも批判をあびている。
まずは保育園が少ないこと、保育園をふやせても、保育士が足りないこと、質が低下していること、それは給与が低いこと、など、いくつもの条件が複合的に絡んでいる。

昨日の朝日新聞にはほかの要件も指摘した記事があった。それは父親の協力というか、育児への参加がないこと、いわゆるワンオペで母親が疲弊していること、などである。

解決策ともなる本を読んだ。高橋順子氏の「フランスはどう少子化を克服したか」である。昨年(2016年)新潮新書として出版されたものだ。
フランスも昔は出生率が低下し、危機的な状態になったのだが、今や2,0は超えている。そこには、アフリカやアラブ系の多産を好む家庭が増えたこともあるけれど、フランス人の家庭も、famille nombreuseというのだろうか、子どもが4人以上という家族が多くみられるようになった。

こうなるために、政府がとった財政面(社会保障)、出産に対する政策、出産後の手当、あらゆる面で大きな努力を払っている。
先日もF2で報道していたけれど、父親のために、conge de la naissance(出産休暇)3日が認められている。もちろん有給である。ちなみに母親は出産前6週、出産後は16週である。父親休暇(conge de paternite et d'accueil de l'enfant)は8週間という。しかし、フィンランドでは9週、スウェーデンでは12週というから、フランスも負けている。

この休暇で、この著者によると、男を父親にするのだそうだ。
私が5月に会ったファミリーは、父親も母親も社会心理士として働いている。10歳を頭に3歳が最年少だが、4人の子供がいる。よくぞ生んだものだとも思うし、よく育てているものだと、感心するのみだった。祖母にあたる私の友人は、共稼ぎで時間がないから、細かいところに手が届かない、しつけもそうだし、読み聞かせもあまりやっていないみたいだ、などと言っていた。

その昔には、編集者として名のある女性が、「私は家に帰りたい」という本を著したが、職歴を捨てて、子育てに戻った人もいた。

高橋氏の本、安倍さんに送ろうかと思う。少なくとも、この本にあるフランスの施策を半分はすぐに日本でも実行しなければ、出産率はあがらない。
友人にいわせると、まずは結婚させなきゃね、となるけれど。

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