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fフランスの酷暑と山火事

フランスのニュースチェックをしていることもあって、最近のフランスの気温の高さと山火事の頻発が気になってならない。
酷暑はヨーロッパ全体らしい。ロンドン、夏でも寒いといわれていたが、いまや40度を超えるの超えないのとニュースで報道している。

フランスはもう数年来、夏の暑さが必ず問題になっていた。
もう30年くらい前のことだろうか、パリ(話題の中心になる)をヴァカンスシーズン最中に酷暑がおそった。
高齢者の一人暮らしの人たちで死者が多く出た。
日本でもいわれるように、高齢者は暑さをあまり感じない(らしい)。水分補給をしない、部屋に風をいれない、といったことから、体調を崩し、死にいたったらしい。
孤独死、この言葉がフランスの新聞の見出しになった。
それプラス、フランスらしいのは、子供たち(といっても十分大人の年齢)の反応である。家族で休暇にいっている途中で、親の死を知らされて、バカンスを中断するのはいやだから、葬儀からなんからそちらですませておいて、というケースが頻発したのだとか。

夏暑いというのは日本ではほぼ常識だが、ヨーロッパではそうでもなかった。しかし、今や常識になっている。
スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャといった国々は緯度も南になるということから、以前から暑い国ではあったが、フランスもそれらに分類されそうだ。

気温が高く、乾燥しているとなると、それは火事が増える原因になる。
20年以上前、南フランスで生活していたとき、夏の山火事がいわば年中行事、夏の風物詩的な現象であることに驚いた。
マルセイユなどもそうだが、地中海沿岸は、そう平坦な土地ではない。すぐに山が迫っていて、隣町にいくにも山越えということもある。
そんな山が火事になる。タバコの吸い殻が原因のこともあるし、キャンプ客の火の不始末の結果ということもある。自然発火ということもあるらしい。

空をぶんぶん飛行機が飛ぶ。Canadaire,キャナデールと呼ぶことを知った。カナダから消火の手助けに来ているのか、そこまで消火が深刻な状態にあるのか、と思っていた。
この飛行機、海水を蓄える槽を装備し、山火事の消火にあたる飛行機で、カナダ国営航空機製造会社(Canadair)から来ているのだそうだ(小学館の辞書による)
別にカナダから派遣されたのではなく、フランスの消防が所有しているのだろうが、やたらキャナデールと言われると、カナダを想像してしまう。
地中海の海水はたっぷりある。それを海上機のように水面すれすれに飛んで、海水をため、山火事の現場にまいて消火する。
地上部隊も出るが、山で足場が悪いから、地上からの消火は能率が悪い。
しかし、キャナデールが登場したからといって、すぐに消火されるというのでもなかった。

マルセイユの人たちは、夏火事に慣れているのか、あら、まただわ、というようにあわてなかった。そして、消火されて間もない道路、まだ周りはくすぶっているようなところも平気で運転していたものだ。
地中海沿岸の山は、松の灌木が多かった。火事があまりに恒例となっているからだろうか、たまには、これで植生の更生ができる、という人もいた。

ところで、今、問題は、大西洋側、ジロンド県である(ボルドーが県庁所在地)。人気のPyla sur MerやLa Teste de Buchなどが燃えているらしい。
ピラには従妹が別荘を持っている。海のそばにあるし、先週メールで様子を聞いたところでは、まだ余裕の返事だった。
しかし、今日のニュースでは、海のそばに別荘を持っているひとたちも避難を要請されている。
まだ来たばかりなのよ、と文句を言っている人もいた。

ピラは砂丘で有名だ。鳥取の砂丘みたいなところである。大西洋に面して、従妹の別荘のサロンからみる夕日はきれいだった。

こらえられないほどの暑さ、旱魃、そして火事、こんなことはこれまで経験しなかった、と、元美女らしい、タンクトップの老女が避難を勧める消防の人に文句つけている。
そうなのだ。これが気象変動、これまでと違った気候になっている。
もう一度、従妹にメールで注意喚起しなければ。
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