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年賀状考

元旦、10時くらいに年賀状が届いた。
この頃、年賀状はあまり評判がよくない。

虚礼という人もいる。お金の無駄遣いという人もいる。
虚礼という人は、きまりきったお祝いの言葉を印刷しただけの年賀状に、心がこもっていない、というのだ。
お金の無駄遣いというのは、1枚62円の年賀はがきが高いというのだろう。
終活といって、もう出さないという人も増えた。

年賀状に否定的な意見が多いなか、私は意見を変えた。年賀状肯定論者になったのだ。

たった62円で、新年のあいさつができるなんて、安い!これがカードとなれば、最低でも200円ほどするし、それを封筒で送れば82円はかかる。1通に300円はかかることになる。

虚礼というけれど、日ごろ、ご無沙汰しているけれど、気になる友人、知人へ、年に1回、ご無沙汰お詫びやご機嫌伺いができるいい機会である。

私はあまりメールを好きではない。メールで、いろんな動画やカードを添付して送ってくださる方もいるけれど、自分がそれをできないこともあって、負担に感じることもある。

定型的な文章、そして宛名も文面もプリントのみ、という年賀状はもちろんあまりうれしくない。
一言だけでも、宛名の人を思っていますという文はあらまほしい。
それにしても年賀状というのは便利なものだ。いろんな報告も書きこめる。

姪からは彼女の2人の息子たちが去年結婚したことをしらせてきた。甥の年賀状には、娘が入籍したとある。姪も甥も、日ごろご無沙汰だから、こうして報告できるのは便利なことだ。

そのほかに、転居、転職、退職、結婚、出産、たまには離婚、そういった情報を、さりげなくお知らせするのに、なんといういい手段だろうと思う。
いちいち、挨拶状など出さないで、こうして年初にお知らせすれば、それで無礼というわけでもない。

今回、高校時代の友人からは驚きの情報がもたらされた。去年は3回入院、2回手術しました、という記載があるのだ。どんな病気かはわからないが、とんでもないことだ、とすぐに電話をかけた。
彼女の誕生日には毎年電話するのだが、ほかは連絡などしない。大変な病気でなければいいが、と心配したが、彼女の声は明かるかった。
これから入院というのではなく、昨年、もう済んだことだから書いたけど、そんなに心配したの?と返って彼女が私を励ましている。

そうしてみると、いろんな人たちが、療養中だとか、体調不良を書き込んでいる。

亡くなったつれあいがそうだった。いつも、小さい字で、近況などを書き加え、そのために、1枚1枚にかける時間が多く、なかなか年賀状書きが終わらないのだった。
しかし、それだけに受け取る人からは好評で、楽しみにしています、と書いてくださる人も多かった。
最後のころは体調不良のことばかり書くので、年賀状にふさわしくないと、注意することもあった。

もう仕事もしなくなり、個人から個人への年賀状がほとんどだ。出してくださた方の顔が全部わかる。年に1回のご機嫌伺い、貴重な習慣だと思っている。
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