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新紙幣発行からみえるもの

新しい紙幣発行が発表された。5年ほどの準備期間をおいて、新紙幣へと移行するらしい。

意外な発表だった。天皇が変わられることで、年号が平成から令和へ、そんなニュースに振り回されていたところに、けっこう隙をついた形での新紙幣の発表だった。
偽札防止のため、20年に一度くらいの割合で、紙幣の模様を変えるのだという。

友人の一人が予言していた。消費税が10%というきりのいい数字になるとき、デノミもやるよ、と。
しかし、それははずれた。

一時期、日本円の単位の大きいことが、貿易や外国との取引において面倒なので、1万円を100新円にする、という形でデノミをすべきだ、という意見が多くきかれたものだった。
不景気の底にあるときだったような気がする。そうすることによって、印刷、製紙をはじめとする多くの分野で、需要が生まれ、景気が持ち直すと。しかし、今回の新紙幣発行だけでも、相当の景気浮揚があるようだ。


またそれよりなにより、タンス預金やいかがわしいお金が表に出てくる、旧紙幣を使いきらねばという人が大勢いるのだと。

今、私もその一人かと思っている。ずっと500円コインの貯金をしていた。この新紙幣と新500円貨発行のニュースの前からだが、家計ひっ迫で、毎日、ためておいた500円コインを小銭入れにいれて買い物にでる、という生活である。
もちろん、5年もかからず、今年1年で使いきるほどの金額ではあるが、以前、稲穂の100円コインをため込んでいて、使おうとしたら、自販機からはじかれてしまう、という経験をしたこともあるから、なるべく古いものは使わねば、という意識を持っている。

フランスはユーロに移行する以前に離れたので、その時の混乱というか、切り替えに対応することもなかったが、アフリカでは、デノミにであった。

予告もなく、突然施行するという、アフリカ風のやりかたに、呆然としたものだった。
もともと、お札を印刷する能力もなく、外国(ヨーロッパ)に委託しての紙幣発行だったけれど、ある日突然、大統領令として、デノミが発表され、即時執行なのだった。

その時の混乱をどうやって乗り切ったのやら、もう20年も前のことで、記憶から飛んでしまったけれど、それでも国は存続し、それによって私たち外国人も命を失うことはなかったのだから、どうにかなるものだ、と変に覚めた見方をしてしまう。

消費税においては、食品に対し、軽減税率を設けているが、これはやっぱり、消費税が10%ではおさまりきれないことを予測してのことなのだろう。
友人は、日本も諸外国なみに、20%を超える消費税が必要になるときがくると言っている。直接税と間接税の関係もあるから、そうはならない、と、なってほしくない、と私は反論するのだが、それは必然だと実務にたけた友人は主張する。


今回のデノミ無しで、彼の主張は半分否定されることになったけれど、消費税についてはあるいは?と思う。

なぜ、女性は必ず5000円なの?1万円札に採用できる女性がいないの?と聞くと、一人採用だけでもすごいことだ、ともいう。

せんだって、ミャンマーで古いドル札の受け取りを拒否されたけれど、5年後、新札発行後は、日本での流通は可能でも、外国で両替を断られることもでそうだ。

たんす預金も、へそくりもない生活だから、困ることはないと思うけれど、発行までの5年、そして、次の紙幣への移行に20年、そこまで生きていることもなさそうだから、最期の経験となるのだろう。
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