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高齢者の運転

先日の池袋での事故、高齢者運転によるものだった。87歳、よく免許更新ができたのだな、と思った。

しかし、フランスなどではそんなに珍しいことではない。
昨年96歳でなくなった代父は90歳をすぎるくらいまで運転していた。
私がフランスに行く、というと、空港に迎えに行くから、という。来なくていい、というと、pourquoi(なぜだ?)という。あなたの運転がこわいから、とは電話口で言えなかった。

出口のところに、身なりも乱れた父の姿をみて、よく空港までこれたものだ、と思い、また駐車スペースがわからなくなった、とかゲートでうまく料金が払えないなどのトラブルのあと、道路でもパリはどっちだ?と分岐点で急に車をとめたり、本当に危ない運転だった。

あまりのひどさに、どうにか家にたどり着いたあと、もう運転は止めたら?というと、これまで無事故できている、なんでやめる必要がある?とひどく怒ったものだ。

その後、娘が強引に車を持ち帰り、車なしの状態にして、運転をできなくしたのだった。

しかし、その後も、車があったら、私をどこへ連れていけるのに、とか、ブルターニュの別荘に行きたいのだが、車なしではいけない、などと文句を言っていた。

認知症の症状もあったから、あのまま運転をさせていたら、きっとひどい事故を起こしたことだろう。無事故だった、といっても本当に危ない運転だったことは、若いころからで、同乗するのは覚悟が必要だった。

今回の池袋の事故で配偶者と娘を亡くされた方が、「自信がない、と思ったら、運転をやめてください」と言われていたが、自分で自信がない、と客観視できる人は少ない。
私など、免許をとったときから、ずっと自信がないままの運転だ。
駐車がうまくできなくなる、というのが高齢運転の証明の一つだ、という説もあるが、女性は往々にして、駐車は苦手である。なぜなのだろう。

被害者のかたの発言をきいて、私もやめるべきか、と思ったりするが、やっぱり今やめるというのは無理そうだ。
2年前に亡くなったつれあいも、晩年はいくつかの自損事故をおこした。なにかに接触というのは数回あったし、それを自己申告しなかった。
大きな事故をおこさないで済んだのは本当によかった、と今更のようにほっとしている。

認知能力だけでははかれない運転技術、常に注意深くあること、これが最低の条件だろう。

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