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正しい民主主義って?

この土曜日も、パリ、シャンゼリゼ通りはひどい状態になっていた。
黄色いヴェストたちのデモでもない、団体での狼藉で、通りに面したブティックなどはショウウインドウを板や鉄板で防御しているか、していないお店は襲撃され、ガラスは微塵にこわれ、店の中は狼藉、略奪されていた。

去年の今頃はパリにいた。パリでクリスマスとお正月をすごすため、早々とフランスへ行ったのだ。
去年のシャンゼリゼのイルミネーションは、白いあかりと青いあかりがともっていた。
今年は赤いあかりのイルミネーションのようだ。

黄色いベストの活動、当初はただでさえ高止まりのガソリンに、新たに環境問題対策で、ガソリン税が課せられる、というので、その課税を阻止するための反対運動だった。今も原則はそうなのだろうと思うけれど。

全国で始まったこの運動、パリで集団的に反対のデモをということで、3週間前の土曜日に、シャンゼリゼでのデモがあった。それが端緒である。

この騒動は、日本でもメディアが取り上げている。特別、コメントはされていないけれど、フランス人のジャーナリストが次のようなことを言っていた。

マクロン大統領は、来年は課税しないといっているけれど、環境税として必要とするなら、きちんと課税すべきだ。彼の不人気は、彼に対するものというより、だいたい大統領の任期2年になると人気は落ちる。国民がデモで意思表示をするのは権利であるが、それはそれで、財政均衡をとるための政策で必要と思ったものは実行すべきである。
過剰な暴力行為の伴ったデモの圧力に屈するべきではない。それは真の民主主義とは言えない。

しかし、一部の暴力行為はあるけれど、全国にひろがった黄色いベストの参加者たちがすべて暴力的であるわけではない。彼らがどうしても訴えたいことは、一つに燃料税の廃止もあるだろうが、鬱屈した政治への不満が爆発した、とも受け止められる。

フランスではこのようなデモはしょっちゅうだ。
私は行動派ではないので、デモなるものに参加したことはないのだが、パリで友人と会っていたとき、デモにであった。それは公務員の待遇改善を求めるデモだったと覚えている。
公務員といっても、警察、消防、病院、学校、いろんなジャンルがあって、すべてがいい待遇とはいえない。公務員のなかでも待遇に恵まれない職種のひとたちのデモだった。
つい面白がって、行進にくっついて歩いたけれど、彼らの要求がきちんと理解できているわけではなかった。

時にデモが暴力的になることはしょっちゅうだ。
フランス国民はそれに慣れている。

こういうデモ、あるいは実力行使などで民意を示すことが直接民主主義といえるのか、それかといって、次の選挙で民意を示すのがいいのか、私には判断できない。

フランスではフランス革命も民衆の実力行使の果てであったし、現代ではmai 68のこともある。

こういう行動ができるのも、民主主義の国だからなのか、判断は難しい。
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