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ブラック・クリスマス

クリスマスをメリーと呼べるひとたち、どのくらいいるのだろう。
メディアはクリスマスの形容詞に必ずメリーをつけるけれど、楽しい、幸せなクリスマスを迎える人は人口の半分もいないのではないだろうか。

今日のスーパーなどでは、チキンとケーキの売り場が込み合っていたという。デパートの地下食料品売り場ももっと混んでいたのだろう。

クリスマスイヴの今日、天皇誕生日の振り替え休日になった。
ホームクリスマスの絶好の日取りである。

ということは、単身者にとっては、けっこうつらい日になっている場合が多い。

まだ独身の時代、クリスマスイヴ、つまり24日が平日であれば、日中は仕事で時間がすぎるけれど、休日になると、朝から1日中、一人の時間となって、もてあましたものだ。
理想的なクリスマスイヴは、素敵な男性から、高級なフレンチレストランに招待され、シャンペンか年代物のワインなどを飲みながら、ロマンチックな時をすごす、というものだ。

そんな機会には恵まれるはずもなく、ブルークリスマスをすごしていた。

今ではそれもなつかしい。

というのも、今はもっとひどいクリスマスとなっている。

2年前、22日夜につれあいは亡くなった。そのまま自宅へと遺体を運び、安置した。
23、24日、2日間、彼は自分の部屋で目覚めない眠りをむさぼっていた。

テレビもつけず、ただ葬儀などの手配に追われていた私は、クリスマスであることを忘れていた。
降誕とは真逆の死という場面、その当事者となって、混乱の極みにあった。

今年は、いくつか、クリスマスの飾りらしいものをしている。しかし、どうしても、今日、明日は私にとっては、ダークなものだ。

イリュミネーション華やかな都会と違い、ここではサイレント・ナイトであることが救われる。

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