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フランス、こんなこと(3)運転免許証

今回のフランス行きは、期間限定(これはいつものことだが)、交通機関がストライキ中、などの要因もあって、移動が少なかった。
パリの外に出かけたのは、ソローニュの別荘行き、それに墓参りだけである。
いづれも甥の運転する車で出かけた。

ソローニュに滞在中、ロワール川流域にあるアンボワーズ城を訪ねた帰りである。甥があ、しまった!と舌打ちをした。とても礼儀正しい甥だから、舌打ちをするという不作法が意外であった。
どうしたの?と聞けば、速度違反をしてしまった、という。先ほど、ぴかっと光ったのがコントロールする機械が違反をチェックしたのだ。
速度制限80キロのところを90キロ出していたのだ。

この80キロ道路は、以前は90キロだったところが多い。交通安全のため、80キロに制限速度を落としたのだが、不評きわまりなく、結局、2020年1月2日の法律で90キロに戻される道路が多いのだが、まだ80キロが生きている。

違反の罰としては、罰金とポイント1が減点となるのだとか。
持ち点は最初は12、彼はもう数ポイントを失っているのだとか。

なぐさめにはならないが、もしもの場合、私も免許証を持っているから、私が運転できるけど、というと、それは力強いと、あくまで紳士的な反応だ。

私の免許証は、マルセイユに住んでいたときにとった。当時はエックスの学校に通ったり、近郊の町を訪ねたり、相当距離を運転していた。
最後にフランスで運転したのは、日本に戻ったあと、今は亡きつれあいと、数回ノスタルジーの旅行をした。南仏はレンタカーなしでは動けない。
日本ではオートマチック、フランスではマニュアル車がほとんどで、操作に気を使いつつ、右側通行に感覚が戻らないまま、ハラハラドキドキの運転をしたものだ。

今でも持っている免許証、フランスの場合はa vie、つまり死ぬまで有効なのだ。
例えば免許がとれる年齢に貼った写真は、90歳以上になっても有効なのだ。

という原則はまだ残っているらしいけれど、さすがに制度は変わっていた。彼の免許証をみせてもらうと、エレクトロニックになっている。チップも組み込まれ、ちゃんと現代に即応した形だ。
有効期間は15年、チップにはすべての情報が入っているという。

ならば、私の免許証はもう無効なのか、もうレンタカーも借りられないのか、身分証明書としての効力はないのか?と問うと、それはないと思うけど、という。たしかなことはわからない。

フランスでは返納はしない。1昨年96歳で亡くなった代父は、92歳くらいまで運転していた。パリの空港まで迎えにきてくれていたときのショックを覚えている。どこに駐車していたか記憶が定かでなく、分岐点では道路の真ん中に止めて、どっちの方向にいくのか?と聞かれたり、もう恐怖の運転だったが、本人は危険運転と自覚していなかった。
娘が強引に車を処分、本人は車があれば、ブルターニュの別荘に連れて行けるのに、などと私に言っていたものだが、車がなくなってほっとした。

甥の車はBMWのオートマティック、甥の妻はフランス車でマニュアルだ。日本では座席が高くなって乗降がしやすいのだが、フランスはまだ低い位置にある。どっこらしょ、と乗り降りに声がでる。
甥はパリでは住まいの近所にある有料パーキングを利用している。ここはキーを預けて駐車を依頼するスタイル、妻は路上駐車、パリ中心地の駐車状況は厳しい。

フランスでもう運転することはないだろうが、大切に持ち続けているピンクの免許証、もう不要なのかもしれない。
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