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フランスのSDGs

この頃、メディアにSDGsの言葉が現れない日はない。
それはそれでとても結構なことであるのだが、なんだか、やり方がしっくりこないところもある。

6月、フランスにいたとき、ことあるごとにフランスの家庭における、あるいは外でのSDGsを観察した。といっても、行動的ではないし、ごく一部であったが。

先述したかもしれないが、フランスの田舎のレストランでのことである。
昼食をとったのだが、メニューの選択が、メインはともかく、前菜を選ぶか、デザートを選ぶかのメニューがある。もちろん、前菜、メイン、デザートととることもできるが、それは別料金だ。
同行者とともに、メインとデザートをとった。
ところが、アペリティフとして出されたものが実にヴォリュームがあって、それを食べただけでおなか一杯。
また、メインで選んだのが、超厚みのある豚肉の塊を低温でじっくり焼いたもの、付け合わせもたっぷりあって、とても全部は食べきれなかった。
デザート分の別腹をキープするには、もったいないけどメインは残す、と同行者も同意見。
二人してサービスの人に下げてもらうようにお願いした。
ところが、お持ち帰りになりますか?と聞かれたのだ。
同行者はちょっと考えたあと、お願いします、と返事した。

彼によると、サービスの人は、もし、いらないといわれると、これはそのままごみ箱へ直行する。
それはもったいないのではないか、と言ったのだそうだ。

結局、私の分はごみ箱直行になったらしいが、彼の分は、なんともシンプルなパッケージで、デザートを終えて、お勘定をテーブルでしたときに運ばれてきた。

彼曰く、この頃、こういう形で、フードロスを避けるレストランが増えた、というのだ。

結局のところ、このレストラン以外で、お持ち帰りを提案されることはなかった。
外食をあまりしなかったこと、食べられる量だけ選ぶというスタイルで食事をしたこと、などでその機会がなかったこともあるが、こういうスタイルがどの程度浸透しているか、もっと知りたかった。

この頃、おいしいお料理も、全部平らげるということができなくなった。
完食できない、というのは一つの苦しみでもある。

フランスの場合、家庭での食事は、お皿に盛りつけてあるのではなく、自分でお皿にとりわけるスタイルだから、食べられる量をとればいい。
しかし、いつも思っていたのだが、それで残ったものは主婦はどうしているのだろう。
昔風であれば、昼が正餐、だから昼食はだいたいその日に調理されたものがだされる。
そして、そのとき残ったものや前日の残り物などが、夕食には出される、というパターンであることを再確認した。
それでも残ったものなどは、泊まった家ではmonsieurが食べる係であった。

どこの家庭でも、というほど、家庭を知らないので広言できないのだが、家庭では日本ほどラップを使わない。
冷蔵庫にしまうときには、容器にいれる。
また、ラップの質が悪いのか、切り取りができない。これはあまり使わせないための手段であろうか、と思うほどだ。

このところ、テレビで、プラスティックを避けて、紙製のものを、というような場面をみるが、以前、紙やパルプを多用することは、森林破壊につながる、といって、使用をしないような運動があったのではなかったか?と思い出す。
それで、ナプキンなども紙製をさけ、布製のものを多用するようになったけれど、これだと、お洗濯の要があって、洗濯には水と洗剤、水も水道水そのままではなく、お湯で、となれば電気などを使用する。洗剤も化学、そして最後にアイロンとくれば、電気プラス手間だ。

何事も、こちらをプラスにしようとすれば、片方がマイナスになる。
電力も再生可能エネルギーと称して、太陽光、風力、がもてはやされているけれど、果たして、地球のために、人類のために、そう言えるのか、特に原子力など、その最たるものではないか、と思うけれど、フランスの場合、一度は50%以下にとしていた原子力を再度、活用するらしい。

現在の人口と生活様式を考えれば、昔と比較できない資源の浪費、そして自然の破壊をしているのは明らかだ。

フランスではもうほとんどの家庭で設置されている、食洗機、これが水の倹約になっているのかどうか、よくわからないのだが、もうフランス人はこれなしではやっていけないようだ。

私にはなにが本当にSDGsになるのか、よくわからない。
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