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カンヌの映画祭

今朝、テレビのニュース番組で、カンヌの映画祭最終日、日本の俳優、役所広司氏が男優賞を受賞したことを知った。
カンヌの映画祭、行ったことがある。
俳優として、ではない。

新聞記事によると、1997年、今村昌平監督の「うなぎ」がパルムドールを受賞した。
その時、最終日、つまり授賞式に出たのだ。
赤いじゅうたん、tapis rougeの上も歩いた。

この日、授賞式に出る、と言われたのは前日だったような気がする。
いくらなんでも、平服というわけにはいかない。
つれあいはしまいこんであるタキシードにエナメルの靴、私はどうしよう、そんな華やかな服はないわ、と手持ちのなかで一番派手な服を選んだ。

オーラが違う!
タキシード姿の男性もそうだが、女性たちの美しさ、放たれる、空気だけでは表現できない、やっぱりオーラの言葉になってしまう。
足の細くて長いこと!

私も一応、運転手付きの車で乗り付けている。ジャーナリストだけではなく、ファンたちが大勢いるなかに、車を止めて降りる。
テレビなどでみていると、みなさん、両足を優雅に車の外に出し、すっと立たれる。
私も真似してみた。しかし、出した足の程度が違った。
彼女らの足は、細くて長い。私の足は、太くて短い。
足をみたとたん、周囲の人の関心が消えた。別にショックでもない。それが当然のことだ。

(初の)パルムドール受賞であるのに、監督をはじめ、主要なメンバーはカンヌにいなかった。
受賞できるとは思っていなかったらしい。たしか、だれか急遽ステージにたったような記憶がある。

ほかの受賞者についても、なんの基礎知識もなく出席したため、またすごく若いときならだが、もう映画そのものへの興味がそんなでもなくなったころだったのだろう、ステージにたつ俳優にも、話題作の監督にも、あまり知っている人はいなかった。

ただし、初めて、カンヌという有名な観光都市の、有名ホテルに宿泊したのだが、そのエレベーターで、アメリカかイギリスか、英語国の俳優だったが、二人きりになり、数語、会話した。
同業者とはみてくれていない、のは確かだ。
でも親切だった。きちんとGood Morning Madameだったか、Good Afternoonだったか、礼儀正しい応対だった。
これこそ、カンヌ!と興奮した。

「うなぎ」はその後、テレビで見たけれど、パルムドール受賞、と感激はしなかった。
私の感性が乏しいのだろう。
感性の問題から言えば、数年前の韓国映画「半地下家族」でも思ったことだが。

来月、カンヌに行く。さあ、レッドカーペットはないけれど、会場に行ってみるか。

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