SSブログ

5月1日スズランの日 Les Muguets

今日は5月1日、フランスでは忙しい日だ。
まず、労働者にとっては、メーデー、国の祝祭日にもなっており、休日だ。
労働者諸君(寅さん的表現でいえば)が存在感をみせる日でもある。
日本では、労働者の祭典といっても、みどりの日やら、3日と5日の間の日は名目をつけて国家の祝日に無理にしてしまうのに、名目も異議も立派なメーデーは祝祭日にせず、労働組合などの組織も弱いことから、4月29日などに州外をもつ、本当にふがいない現実がある。

メーデーはさておき、フランスらしい(とかってにフランスのイメージ作りをするが)、愛のあふれる習慣、スズラン(les muguets)を贈る日なのだ。

私にとって、スズランはあこがれの花だった。南に生まれたので、スズランは写真でみるもお、目にしたことはなかった。
そのスズランを、5月1日、自分で森の中にはいってて自生のスズランをとってきたり、道端や花やで売っているものを買って、愛する人に(恋人に限らない)贈るという習慣がある、と知ったのだ。

この日は、スズラン尽くしになる。パンやさんはどうだかしらないが、ケーキ屋さん、レストラン、その他のブティック、いろんなところで1輪のスズランを配ってくれたり、またアパルトマンの管理人さん、あるいは通いのお手伝いさん、いろんな人が小さなスズランの花を持ってきてくれる。
そして、スズランは、花屋さんで売るだけではない。
道路にも、街角にも、その日限りのスズラン売りがいる。

昨日、パリの従弟からメールが届いた。
ソローニュのスズランを贈ります、とすてきなスズランの写真が添えてある。
ソローニュというのは、パリから200キロほどの距離にあるが、彼はそこに24ヘクタールの土地をもち、別荘としている。
一度だけ言ったが、その時はクリスマス、別荘地にスズランが自生していることは考えもしなかった。

今、私が済んでいる家にも、スズランが自生している。
1か月の時差があって、まだ2,3センチの芽がでているだけだ。
早く大きくなれと毎日声掛けをしているが、聞いてはくれない。
月遅れのスズランの日だと、どうも気分がのらない。

スズランのような、小さな花を贈る、もちろん、自生ばかりではなく、今では栽培されているものが多いだろうが、バラやカーネーションなどと違って、ただ純白の小さな花を贈る、このつつましさがよい。

ただ、気をつけなければいけないのは、スズランには毒があることだ。
かわいいから、といって、ワイングラスなどにさしてはいけないのだ。
まあ、常に美しいものには毒もある。
nice!(0)  コメント(0)