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逃げる

道路の雪が解けた。まだ、これから降雪、積雪はあるだろうが、この土が出た道路をみていると、歩くこともできるので、逃げる準備ができたな、と思う。

逃げる、何から逃げる?何からというより、どこへ逃げる?というのを先に考える。

ウクライナにロシア軍が侵入してきて、2月24日で1年となった。
当初は、ロシア軍がウクライナの国全体に攻め込もうとしていたので、ロシア国境の地域のみならず、東西南北、国全体から、隣国へと陸路を使って逃げようとしていた。

あの時、鉄道や自動車、あるいは徒歩で国境を越えようとするウクライナ国民を見ながら、さて、日本だったらどうなるか、を考えた。
海に囲まれた国、ということは、海しか逃げ口がない、ということだ。

なぜ、逃げなければならない状況になるか?それは外国から攻められたとき、であろう。
どこの国から、とは特定しないけれど、日本の場合、北東、南西、北西の半島、と3方向の国から攻められるという可能性がある。

現代の攻め込み方は、忍者みたいに軍隊が上陸して、というより、バンバンとミサイル、それも一発ではなく、数百発?を、一挙に打ち込んでくるの可能性がある?(軍事問題にはうとい)。

アフリカに住んでいた時だ。実際、ここに住んでいた時、内乱が発生し、反乱軍が首都まで攻め込んできた。私はかろうじて、その前に最後の民間機で脱出したけれど、つれあいはそれよりあとに、隣国との間に流れる川をわたっての脱出だった。

平和ボケというのだろうか、こういう危機に対して準備をいうものがあまりない。
この国は、常に政情不安だったけれど、友人宅にはボートが備えてあった。いざというとき、このボートで隣国へ逃げるためだという。
このボートで川を渡れるのか、何人が乗れるのか、川まで運ぶ人力があるのか?いろいろ質問したけれど、友人もそういうことになっている、実際、どうなるのかは自分はしらない、と言っていた。
しかし、脱出手段として、そこまでの装備をしているのか、と感心したものだ。

国情不安定なところに住んでいる場合、常に脱出、逃げることも頭においておくべきだ。
とは、言われても、「水と安全はただ」というような意識にどっぷりつかった日本人として、なかなかそこまでの準備はできない。

昨夜、ウクライナの1年前の混乱を夜中までテレビでみていた。
彼らも予期せぬ事態に、どうしたらいいのか、混乱のきわみだった。
特に東部国境地帯に住んでいた人々にとって、砲撃のほか、ロシア兵が直接侵入してきたのだ。
逃げようがない。
季節は冬、ウクライナは寒い。(我が家も寒い)
昨日のテレビに出た女性たちは、いったんはロシア側へと逃げ、そこから再びウクライナのより安全なところに逃げられた。
淡々と話すその内容、ときどき、口のなかに戻す言葉がある。

”私は生き延びた、ても、息子は、母親は、親族は、”とまるで、自分が見殺しにしたかのように、口ごもる。

戦いは常に理不尽なものだ。こんなに世界の耳目を集めることはなくても、アフリカの地ではまだ日常で起きている。

逃げる、ことはきっとできないだろう(手段がない)。それかといって、その理不尽さと戦えるか。
Ni l'un, ni l'autre どちらもできない。ふがいない一市民である。
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