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今年は米寿

2月になった。
2月末、つれあいは米寿を迎える、はずだった。そう、もういない。だから米寿のお祝いはなしだ。
それでもお祝いしたい。

ここに一冊のアルバムがある。
2010年5月27日、パリでの写真をまとめたものだ。
この日、つれあいと私は、パリにいた。
私の代父、代母がともに88歳となり、米寿の祝いをするためだった。

米寿?なんじゃそれは?と代父・代母の親族は問うた。
八の数字が重なるから、とてもおめでたい数字なのよ、お米の形をしていること、お米は日本人にとってとても大事な食べ物、おめでたいことがかさなって、どうしてもお祝いしなければいけない年なの、と説明し、私が主催、場所は代母の姪の住まいで行うことになった。

フランスでは、だいたい5歳ごとにちょっと大がかりにお祝いをする。50歳はとても大がかりだ。
代父・代母(同い年)たちの85歳はそれなりにお祝いしたのだと思う。

出席者は、代父・代母と親しい親族、かれらは私とも親しい。
場所を提供してくれた姪夫妻、代父の甥夫妻、代母の甥夫妻、それに孫と我々夫婦、それにあわせて姪の父(93歳)の誕生日も祝う。

メインとデザート、飲み物は姪、おつまみや前菜を私が出すことになった。日仏協力の晩さん会である。

それはそれは楽しい晩さん会になった。93歳のギイ、88歳の代父、代母、矍鑠とはいえないにせよ、晩餐の席、2時間以上だ、を飲み、食べ、しゃれた会話をし、答礼のスピーチをした。
次回は私のつれあいが88歳のお祝いをするとき、フランスからみんなが来てくれる、となった。

だから、本来であれば、今年2月、日本にみんなが集まってくれるはずだった。

フランスとの間の制限は緩和されたから、彼らが来日するのに障害はない。
ただ、主役となる本人がいない。
そのほかにも、もし生きていても、客人を迎えて食事会をする、ということはきっと無理だろう。
おそらくは、病床にあったり、施設にはいっていたりで、ことばだけのお祝いになったかもしれない。

この代父は96歳、代母は92歳でこの世を去った。

まあ、死んだ者の年を数えてもしかたない。つれあいの誕生日に、”二人で酒を”楽しみとするか。
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