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東京に行く

昨日、東京に行った。
東京のどこだ?東京都なのか、東京23区なのか、東京といっても広うござんす。
広いというより、23区のなかの中心的存在だけを東京と呼ぶのか、23区以外は市や町の名前があるのだから、東京へ行く、という表現は使わないようにも思う。

上京する、とは我が家からの場合、言わない。上京をいう表現は、おそらく関東地方在住者は使わないのだろう。
わが住まいは、かろうじて関東地方にある。県境までは10キロもない。県の北のほうは、日本海の気候だ。
上京とはいわずにすむのには、鉄道もある。上越新幹線のおかげで、軽井沢から1時間だ。
そういえば、軽井沢の人たちこそ、東京は帰る、という表現しか使わないのではないか?
といっても、もともとの長野県民がそこまで東京になじみがあるわけではなさそうだが。
などと、東京までの1時間のあいだに考えたのだった。

今回は、大井町で人とあう。
大井町、名前は聞き知っているけれど、もしかしたら初めて行くのかもしれない。
東京に住んでいたときは世田谷区、港区だった。
まず、地下鉄とバスを利用して、国電(この呼び名はもう使わないらしが)は山手線がせいぜいだった。
京浜東北線で品川の次の駅だという。
この京浜東北線にあまりのったことがない。同じホームの反対側、山手線ならいつも使うのだが。

乗り合わせた京浜東北線、アナウンスで次の有楽町には停車いたしません、という。快速なのだそうだ。
もしかしたら、品川は止まっても大井町には止まらないのかも?と心配になる。
東京に住まなくなって15年以上たつ。地下鉄の路線は増え、この京浜東北線と山手線の駅、田町のあとになんとかゲイトウェイとかいう駅が誕生している。
白金に住んでいたとき、田町は都バスで行けたので、わが勢力圏であったのに、もうその周辺も昔の記憶のおもかげもなく、そのゲイトウェイという駅も初見である。
そうだ、大井町に泊まるかどうか確認しなければ、と隣に座っているサラリーマン風の男性に問いかける。
こちらは田舎から上京してきた老女風、親切に、品川の次ですよ、ちゃんと止まりますよ、と答えてくださった。ありがたや、ありがたや。

大井町の改札をさっと出ようとすると、ブブブ、と止められる。なんと、切符が山手線内だからだそうだ。乗り越しの料金、140円を支払うことになる。
行先は大井町と決まっていたのだから、切符を購入するとき、そうすればよかった。
東京だから、と油断した。

大井町に行ったのは、大分に住む姉が上京(これは立派に上京である)して、大井町にあるホテルに宿泊しているからだ。
まあ、駅前になにもかもある。Il y a tous que vous voulez a Oimachi!と、新聞をもとめて6キロを毎日車でコンビニまで通う私にとっては感嘆そのものだ。

姉はカフェテラスで待っていた。トイレは2階にある、というので上ると、まあ、そこは静寂そのもの、まるで人がいないような、といいたいが、人はいっぱいいる。沈黙の場所だ。PCを広げているひと、何か書き物をしている人、黙想している人(でもなにか前において)、下の階の雑音とは別世界だ。
この状態、ほかのカフェでも同じ光景だった。

常に無音に近い状態の家にあって、外に出たときは音を求めて、の要素もある私としては、外で無音を求めている人たちの集まりにびっくりする。

そうしてみると、数名の人が集まって、おしゃべりする空間がない。
昔風の喫茶店というのが見当たらない。またコロナ禍下では、空間があっても数人のおしゃべりというのは許されないのかもしれない。

いつもと違う東京を味わって、再び東京駅へ。ここは”ふるさとの訛りなつかし”という雰囲気はない。
2月1日、今年最初の東京行きであった。
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