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災害対策(3) トイレ

災害が発生したとき、生き延びるためのことをまずは考える。
私の場合、その第一の優先事項は、トイレだ。

震度7以上の地震がおき、家屋やその他の建物が崩壊したとき、安住の場がなくなったとき、寝たり、休養をとる、そんな場所がなくなるのも当然、緊急の問題ではあるが、排泄の場がなくなるのも、すぐに必要とする。

今回の地震で、能登半島のトイレが100%とは言えないだろうが、その大部分がシャワートイレ化していることがわかった。
インタビューに応えているいる人々が、生活用水、つまりトイレ用の水がないと困るね、と発言しているのだ。
もちろん、インタヴューされていない人の中には、昔風のトイレを使っている、という可能性もあるだろうが、テレビで答えている人は全員、トイレを流す水を言う。

今、昔ながらのトイレを残しているところはあるのだろうか?

今住んでいる家は、1990年代に新築したものだ。もう30年近くになる。
階下に1つ、2階に1つ、トイレを作った。当然、シャワー式である。
山林の中の別荘地という関係から、下水道はなく、浄化槽へ流し、たまると、くみ出しをお願いする、ということになる。

おそらくは能登半島の、市街地は下水道ができているかもしれないが、山間地などは、各家屋に浄化槽をつくり、ためる、という方式なのであろう。
流せるということは、断水はしていても、流すほうはできるのか、とほっとした。
流すための水の調達も大問題だが、流せる、というのも同じく問題だからだ。

これまでのトイレに苦労した思い出がよみがえってくる。
多いのはアフリカだ。常に家を出る前に、思い切りトイレを済ませる、という努力をしたが、また、まだ今より若かったから、そういったコントロールもいくらかできた。
一度は、首都から2時間くらいの距離の部落に、井戸堀の援助をして、その井戸から水を汲みだす式典がある、というので出かけた。
式典を終わって、歓談していた時、トイレに行きたくなった。シスターも常住していらっしゃるところなので、トイレくらいはあるだろうと思ったからだ。
あるにはあった。それは庭の片隅に、囲いといえば囲いがされた場所で、深い穴が掘ってあり、板が渡してあった。臭いはぷんぷん、案内してくださったシスターが苦笑いをしていらっしゃる。
何も口にだせず、いちおう、その囲いに入ったものの、とてもではなかった。
出ようとしたものも、もう引っ込んだ。
息するのもやめて、すぐに囲いから出た。そこに待っていたシスターは、cava?と聞かれる。
Cava、と返事せざるを得ない。

まあ、これに似た経験は、アフリカでは何度もするのだが、もう今の私にはできないことだ。

村に生まれ、ずっと住んでいる方が、村がライフラインから断たれた場合、どうなるか?と話していたとき、みんな庭つきの住居だから、庭に穴をほってすればいいのよ、と言われたが、とても可能な話ではない。
もうしゃがめない。立ちしょん、など、それも不可能だ。
ちゃんとしたトイレでも、和式のトイレは使えないのだ。

そんなこんなを思い出し、考えながら、地震から10日、実態はどうなのか、というのが気になって仕方がない。
非常事態の最大のウィークポイント、ととらえている。
近代化というのは、便利だけではないのだ。
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