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Velours du Kasai 草ビロード

屋5-6日の週末、北軽井沢クラフトフェアなるものが開催された。これは毎年10月に行われている。それに参加したショップの一つに、アマゾン屋というものがあり、このお店はペルーの民芸、泥染めの製品を取り扱っている。

話題はそれではない。アマゾン屋の女主人は親しい知人なのだが、我が家にはアフリカの民芸品がある、と話したのだ。テーブルセンターにするような、ちょっと厚めのものだけど、我が家ではちょっと使いづらくて、しまったままだ、と話した。
すると、彼女、それって草ビロードじゃありませんか?という。初めて耳にする言葉だった。

携帯で検索すると、(以下引用)「ショワ族が生み出した幾何学模様の刺繍布。ラフィア椰子の若葉を干して裂いた繊維で男性が平織りの生地を織り、その後女性が刺繍で幾何学模様を描き出す草ビロード。無限ともいわれる草ビロードのバリエーションの豊富さはこの布をさらに魅力的にしています」とある。

初めて知ったことばだ。アフリカ布、民族布、クバ王国の布といった表現もある。

クバという言葉でフランスの辞書(Dictionnaire de l'Afrique)で調べてみる。草ビロードに相当する言葉は、velours du Kasaiと載っていた。
昔のザイール、現在のコンゴ民主共和国の東カサイ地方で作られる民族布なのだ。

この地方には、まだMatwoon王朝が存在するのだとか。そういえば、記憶をたどると、我が家にある布は、王様から賜ったもののような気がする。

キンシャサに住んでいるとき、スペイン人のお宅での昼食会で、立派な服装のコンゴ人の男性にお目にかかった。隣席に座ったので、どうお呼びすればよろしいでしょうか?と問うと、Sa Majesteと仰せになる。つまり陛下とお呼びせよ、ということなのだ。
ホストもホステスもそう彼のことを呼んでいるので、私もコンゴは共和国なのに、などと思いながら、陛下、と呼んで会話をすすめた。

この陛下、ある日、突然我が家へみえ、スペイン人の家での昼食会に、あなたへのギフトを持参していなかったから、とこの布をいただいたような記憶がある。

ご下賜品なのだ。あだやおろそかにしてはいけなかった。

ビロードと表現するけれど、どちらかといえば、軽めの絨毯のような風合いである。男性が平織りで女性が刺繍、と共同作業というのはいい。
きっちりした幾何学模様もずっと以前からの模様なのだろうか。

1枚を織るのに、どのくらいの時間が必要なのだろう。今頃になって好奇心が生まれる。
無知がゆえに、アフリカの文化を滞在中に理解できないままだった。ラフィア椰子というのも実感できない。

民芸品は奥深い。
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