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冬の花

昨日、東京からお供花が届いた。つれあいのずいぶん昔からの友人が贈ってくださったものだ。花が好きだった故人のために、といろんな種類の、彩も豊かな盛花だ。

12月に亡くなったとき、お花が入手できるとは思いもしなかった。菊の花くらいはあるだろうけれど、白い花ではほかになにがあるのか、考え付かなかったのだ。
葬儀屋さんにお棺の中にいれる花を相談した。いえいえ、菊以外でもいろいろあります、白であれば、ユリや蘭系、バラ、などがありますよ、という。

そして私の友人たちからすぐに枕花が届いた。季節が季節だけに、「花ももみじもなかりけり」でも仕方がない、本当なら庭の草花をいれたいのだから、とあきらめていたのに、驚きであるうれしかった。

それから、花は途絶えることがない。地元の友人、南仏の友人、そして昨日の旧友、と故人の写真のまわりは花であふれている。

冬にこんなに花があるなんて。日本で温室栽培されているものもあるだろうが、外国産がほとんどだろう。食料とちがって、花に原産地証明がついているわけではない。つれあいがいた国のものもあるだろうか。

アフリカにいたときは、白い花がなくて(みな、原色の派手な色の花ばかりだった)、弔問を受けることがあったとき、本当に困ったものだった。

我が家で、花を飾るのはつれあいの担当だった。お花を習ったわけではない。ただ、素朴に投げ入れをするだけだ。まずは仏壇の花、そして食卓やあちこちに、庭の花、特に自分が栽培しているバラについては、どの枝を切る、と自分で選んでいた。

だから、毎朝、花係がいない、とつれあいの写真に文句をいう。冬なのに、こんなに花がたくさんあるのよ、花瓶だってどれにすればいいのか、選んでほしいのに、と。文句をいわず、花にいいように生けなさい、とつれあいが言っているようだ
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