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Covid-19雑感(4)格差促進

この重苦しい雰囲気、2月あたりからのことだろうか。
学校が休校ということになり、勤労者はテレワークや時差出勤、なにやら、言葉は知っているけれど、どうすればそんなことができるのやら、と現役を退いてひさしい人間にとっては別次元の労働環境になった。

以前、まだ現役時代、翻訳の仕事なら、自分のパソコンで翻訳したものを注文先へ送るということぐらいはした。しかし、不特定な人から電話で問い合わせを受け、調べて返事をする、という仕事はやはり仕事先の事務所でなければできないものだった。

慣れればできるのかもしれないが、画面をみながら、変に電子音ぽい声に対応する、というのが落ち着かない気分になる。

学校の授業にしても、一対一の対応もしてもらえるのかもしれないが、小さな画面にでてきたものにはなにかしら広がりがないような気がしてならない。

私のような高齢者が対応できないのはいいにしても、少数の人たちが対応できるというだけで、それで済むような、テレワーク促進、在宅学習促進、なにか政府の一方的な思惑だけが先行する。

今朝、フランスの放送で、マクロン大統領の4回目になるという声明を聞いた。
その前日まで、フランスでは学校の再開は9月の新学期になる、というニュースが報道されていた。
3月から休校、そして全体の外出禁止へと進んだフランス、このまま9月までこの状態が続くとなれば、教育は1年の半分を受けられないまま終わるのではないか、と外国のことながら心配していた。
マクロン大統領は5月再開を考えているという。

そしてその理由として、自宅での学習ができない家庭もあること、教育格差が広がる恐れが現実的であること、などをあげていた。
大統領が格差問題をきちんと認識していることに安堵した。

社会が普通に回っているとき、ようやく底辺も少し底上げできそうになったとき、このコロナが突然現れた。
田舎暮らしであれば、銀座や新宿のネオンが消えたの、渋谷のスクランブル交差点の歩行者が減ったの、というのはテレビの画面ではみても、実感はしない。
しかし、都会でその日暮らしをしている人たちが、どこに救いを求めているのだろう、という思いはもつ。

10万円という数字があっという間に30万となり、その趣旨は変わっているのかもしれないが、まずは今日の1000円がない人もいるだろうに、早く少額でもいいから、現金を必要な人にわたしてくれ、と言いたい。
現金のかわりにマスクが各住所に届くらしいが、145億円という金額、マスクより現金支給のほうがきっとうれしいだろうに、と思う。

マスクにしてもいつ届くのやら。
針仕事の苦手な私は、手持ちのマスクの内側に、今ではほとんど使わないローンのハンカチーフをあてがって、出かけるたびに交換する、という手段をとっている。

今、フランス革命時、食べ物を求めて集まった民衆に対し、「パンがなければケーキを食べればいいのに」と言ったというマリー・アントワネットの言葉、これが真実かどうかは別として、民衆が真に求めているものと、施政者のすることの食い違いの大きさを実感するものだ。
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