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チャイティーヨーへ行こう

チャイティーヨーへ行こう、というのは、ガイドブックの言葉である。これは別名ゴールデンロックとよばれている。
標高約1100mの山の頂上にある大岩の上に、一つの岩、これも相当の大きさであるのだが、実に危なっかしく載っている。

見れば、いつ落ちてもおかしくない状態なのだそうだ。
先だってのBSでのミャンマー紹介の番組でも扱われた、観光地として人気のある場所だ。

ガイドブックに行こうとあるから行ったわけではない。お任せコースに入っていたのだ。

実に遠い。ヤンゴンから210キロある、とガイドブックに書いてあるし、片道4時間かかるという。
初めは朝6時出発と言われたが、朝に弱い、と訴え、7時半出発となった。
(せめて6時半にすべきだった)

麓の町まではヤンゴンからの車だが、そこからはトラックバスに乗り換えなければならない。
定員44名、一列6人、7列ある。6人が座るというのは結構ギュウギュウ詰である。
このシートに座れない人は、荷物の部分にでもいるのだろう。

満員になったら出発するというシステムだから、空いててよかった、ということにはならない。
ガイドさんと私は2列目に、最後の2人として席を得た。前は僧侶の団体なのか、6人全員が袈裟姿の方たちだ。
きっと無事に着けるだろう、と妙な安心感をいだく。
いや、怖かった。いろは坂や箱根のカーブは忘れてしまったが、そんなものではない、と言える。

曲がればすぐに次のカーブ、そして登りの角度が半端ない。
きっとギアはローだろう、と思うが、ローばかりでエンジンが焼けないか、と心配になる。
途中、下の車と離合の信号もある。

後ろの年配の女性が、嘔吐し始めた。乗り物酔いだ。
ガイドさんによると、田舎の人で、車に乗ることもない人だろうという。車の振動に慣れていないし、これだけのカーブでは酔うのも不思議ではない。

いつ転落の危機が、と思っていると、中間点ほどのところにケーブルカーの駅がある。トラックバスに耐えられない人は乗り換えどうぞ、だ。勿論料金は別だし、お高いことは当然だ。
なんと、お坊様たちがケーブルカーに乗り換えた。リッチな方達である。

我々は少し楽になった座席で、体勢を整え、後半に備える。

終点に到着しても、苦難は続く。歩いて登る部分が残っている。
お寺だから、裸足になって登る。石が敷き詰められている。太陽で熱い。でも日陰はさすが、高度があるだけに、ひんやりしている。

登れない人には、4人で担いでくれる輿がある。老人と見たか、熱心に勧誘される。ガイドさんに聞けば、4万チャットだとか。いやいや、自分で登ってこそ、ご利益も、とお断りだ。

頑張って登った。でも、その先にあったもの!
修理中の岩と仏塔だ。岩の下の部分、金箔に覆われている、が少しカバーが外されているけれど、あとは全く見えない。
危なっかしい、という売りの部分が見えないのだ。

予告はされていたが、やっぱりつまらない。
しかし、参拝者の数は多い。
ガイドさんによると、この仏塔には、仏陀の遺髪が収められており、願い事が叶うことで知られており、ミャンマー人は、一生に一度はお参りしたいと願うのだという。
彼女も、ガイドになる前は、1年に1度はお参りしていたそうだ。

それで、願いは叶ったの?と聞くと、ガイドになれました、という明快な返事だ。それなら私も願い事を、と考えたが、願うこともない。

これだけの苦労をして参拝したものの、見てもつまらない状態だから、帰ることにする。
4時間かけて来て、20分では、なんだか割にあわないわね、と言いながら、帰りのトラックバスは、ジェットコースターみたいなものだ。

宗教施設を訪れるのに、割に合う、合わないで判断してはいけない。
この大変な行程を結構楽しんだ1日だった。
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