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マクロン大統領は辞めるべきなのか

黄色のベストたちのデモのなかで、「マクロン、デミッション」(マクロン大統領、辞任せよ)というシュプレヒコールがでているのに驚いた。
燃料税をやめろ、が叫ばれるのは当然だけれど、大統領の辞任を求めるまで進んでいるとは思わなかったのだ。

フランスの大統領は権限がつよい。アメリカより強力な大統領といわれている。
1995年までは7年の任期で選出されていたが、現在では5年となっている。アメリカでは1期4年の2期まで、フランスも2期までだが、いずれにしても、アメリカより任期は長い。

マクロンが大統領に選出されたとき、私はパリにいた。第一回投票で、マクロンとマリーヌ・ルペンが残り、この二人の対決になったとき、大方の人がマクロンの勝利をさとった。国民戦線という右翼の候補が大統領になることを、忌避する人の方が多かったからだ。

あのルーブル宮殿の中庭にしつらえた舞台に、ただ一人、ゆっくり歩いて登場したマクロン、かっこよかった。
若い大統領の登場、フランスは変わる、と外国人の私も期待した。

変わった、しかし、期待した方向ではなかった。富裕税(ISF)が廃止されたとき、びっくりした。この税は、資産にかかるもので、所得税のように収入にかかるものではない。いわゆる、固定した資産(不動産)をメインに、有価証券などにもかかっていたようだが、資産家を対象にしている。

社会党政権の時代に創設されたのだが、保守のシラクが大統領になっても維持されてきた。

亡くなった代父も含め、その周囲のひとたちはすべてが資産家で、皆さん、5月だったか、富裕税の申告書を提出するのに、いつも苦労していた。

一度制定した税金を廃止するのは大変だ。その税金で賄っていた分の金額を何で補てんするのか。
あまりに安定した財源となったので、シラクも辞められず、サルコジ、オランドと継続していたのだと思う。

今回、マクロン大統領が提案した、最低賃金で働いている人たちに、月100ユーロを加えて支給する、とか月2000ユーロを受給している年金受給者にはCGSを課税しない、など、いくつかの財政措置だが、企業に負担は求めないという。つまりは国が補てんするということだろう。

財政の専門家として、国家財政の均衡を最大の課題としていたはずなのに、大盤振る舞いをしていいものだろうか。

富裕税の復活はいわれていない。金持ちのための大統領、という評価は当たりなのか。

今度の土曜日にさらに黄色のベストのデモが行われるのか、もし、そうなれば、出口はなくなる。
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