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あばたもえくぼ(フランス祭物語10)

なんでこんなにフランスを好きなんだろう。恋に落ちたのは40年以上も前のことだ。初めて、海外旅行のことだった。8月8日、横浜港を出発、いろんな国をまわって、パリにはいったのは9月25日のことだった。そして恋をした。

なぜかお天気続きで、パリの並木は紅葉し、憧れのイメージ通りだった。フランス革命を卒論に選んでいたので、次はヴェルサイユへ。そこもまた紅葉が見事で、夢見る心地だった。

それ以来、フランスは常に私の中心にあった。仕事もフランス関係なら、友人関係もまたフランス関係、日常生活は三色旗だ。

そんな人の多いこと。フランス祭では、まず日仏協会そのものがフランコフィル(フランスびいき)の集まりだ。そして、来場者の半分はフランス大好き、あるいは好き、ほんのちょっと好き、な人々である。

フランスはそんなに魅力のある国だろうか。今のフランスはあわれなものである。と、フランスの代父は嘆いている。物価は高く、購買力は低い。失業率は高いまま、若者はCDDでの就職すらままならない。

自由、平等、博愛の標語などどこにいったのやら、平等、博愛より金をくれ、仕事をくれと若者は叫ぶ。

治安は悪く、駅や空港でのポリスではない、軍人が銃をもってパトロールをしている。暗くなって、女性一人で歩くなんてとんでもない。必ずエスコートがいるし、あるいは車で帰宅して、家にはいるまで見守ってもらわなければならない。

オランド大統領の支持率は14%。歴史的な低さだ。

La douce France(美味し国、フランス)はどこへやら。この数日、各地での洪水、氾濫のニュースが続いている。

クロワッサンとキャフェ・オレの朝食、そのクロワッサンはだれが買いに行く?寒い中、パン屋まで階に行く苦労を思えば、ほとんどのフランス人家庭は、乾燥パンや、冷凍したパンを食べている。
ガストロノミー(美食)の国とはいうけれど、美食を楽しめる人はほんの一握りだ。
の一握りだ。そんなこと、極東の地にいる我々には関係ない。イメージさえあればフランスは常に
うまし国なのだ。
こうして、フランスへの恋はまだ続いている。


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