SSブログ

代父の葬儀に参列して

フランスについて1週間目の今日、父の葬儀が行われた。日本でも、葬儀場が混んでいて、すぐの葬儀が都会では特に無理だと聞いているが、父の場合もそのようだ。
父は、葬儀のやり方について、書いたものを残していたが、火葬を希望していた。その火葬がなかなかすぐにできなかったのだ。

フランスでは一般に土葬というか、火葬にしないで埋葬する。この頃、埋葬する場所がなくなったりで、火葬を希望するケースが増えたらしい。火葬場がそれに伴って増えてはいるのだろうが、相関しているかどうかは確かではない。

娘によると、父の場合も火葬の順番待ちで死亡日から9日先となったそうだ。
滞在を2日延長、フライトの変更、日本での(大したことではないけれど)いろんな予約のキャンセル、いくつかの不都合を処理して、きょうの葬儀に参列した。

教会は、日頃父が通っていたところ、2年前に母の葬儀に参列して、教会での葬儀というものを一応体験済みだ。
しかし、今回はまた違っていた。父がni fleurs, ni couronnesと書き残したため、本当に何もない。
ミサが始まって、お棺が運ばれてきた。火葬だからなのか、母の時より、一段と質素な棺である。なぜか、その棺にフランスの国旗、三色旗が広げられ、その上にクッション上にレジオン ドヌール勲章が飾られている。

この件について、従妹がどう感じているのか、気になった。数年前に彼女のちちおやが亡くなったのだが、彼もレジオン ドヌール勲章を受賞しているにもかかわらず、国旗で棺を覆うことが許されなかったのだそうだ。

式の順序として、甥のピエールが父の経歴について紹介する。学歴、職歴のほか、父の個人的な活動や、趣味、子供や孫のこと、ボランチアの活動で、モロッコ人の子に数学を教え、バカロレアに合格させたことや、私という日本の娘がいることも紹介した。

ピエールのあと、私が短いスピーチをすることになっている。昨夜は、最終原稿で、遅くまで練習、従妹夫妻から、読み方、間合いの取り方、発音、いろいろダメ出しがあって、今朝も出かける間際まで、練習させられたのだ。

そんなにあがりはしなかった。しかし、発音に自信がないので、難しいところで早口になる。
ちょっとユーモアを入れたところでは、笑いも聞こえたし、感動を呼ぶところでは、涙も誘ったようだ。まあまあの出来か、と思うより、自分が感情移入して、ぐすぐすしながら、壇から降りる。
となりに座ったピエールが手を強く握ってくれた。

聖体拝受のところで、従妹がとってもよかった、と囁いてくれた。いとこの連れ合いも、シューペルブと褒めてくれた。彼らはなんでもまずは褒めてくれるから、半分の評価としてもまあ合格点か、と安心する。

葬儀の最後は、棺にお別れだ。神父様が聖水を撒かれたあと、参列者も順番で、棺のまわりをまわり、棺に触れたり、聖水を十字架の形で撒いたりする。しない人もいる。ただ一礼をするだけの人もいる。聖水を撒くのは信者だけだ。
父の孫が一人はモスレムに改宗しているし、もう一人はどんな理由かわからないが、この棺にお別れする行為に参加しなかったのはショックだった。

棺が運び出されて、葬儀は終わる。教会の外では、参列した人たちが、遺族に弔意を示したりしている。

私は、ミサで賛美歌を歌ってくれた人、女性が日本人で、私も日本人というので、話したがっているとのこと。これもご縁とおはなしする。とてもいい声で、ミサ後にお礼を言いたいと
思っていたところだった。

父がやたらと私のことを話していたこと、信者になってから、この教会に共に通ったこと、などから、知人や顔見知りも多い。わざわざ日本からきたのか、と感心してくれる。

スピーチもとても感動したと、ほめてくれた。とても個人的な内容だったけれど、その分、父の人間性を表現できたようだ。
来てよかった。そんな思いで、いっぱいになった。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。