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巧言令色鮮し仁、首相の施策にみる

岸田首相、就任2年が終了、3年目にはいったとのことだ。
就任時、”聞く力”を強調されたけれど、発言の能力については言及がなかった。
さもありなん、である、彼の発言のひどいこと、巧言はあっても、仁がみられない、仁というか、真実が感じられないのだ。
またその発言テクニックのみじめなこと、発言内容についてはライターがいるだろうけれど、発言の仕方については、アドヴァイザーはいないのだろうか。

記者会見においても、その発言は、記者質問に対する答弁においても、おそらくは準備されたもののはずなのだが、口ごもり、目は空を泳ぎ、一つの文章を一呼吸で言い終わることができない。長文でもない、とても切り取りがされている文章なのにだ。
”そして”の多様、なにか、中学生の作文を聞かされているような気分になる。

キャッチフレーズの幼さは、彼の幼さなのか、ライターの幼さなのか、発想が単純すぎる。
言葉というのは、きれいであればいい、というものではない。
たとえば、”今日よりよい明日を迎えられるように”、というフレーズ、この基本には、昨日より今日はどうにかよかった、だからもっといい明日にしよう、という意思があるはずなのだが、昨日よりいい今日を迎えられたという実感のある人はどれだけいたのだろう。
明日という未来に期待を、夢を、ということだろうが、今日を無事に終えることができるかどうか、不安の中にいる人にとって、空事に感じられる。

物価上昇以上の賃上げを、というフレーズについても、賃上げに与れない人々を無視している。
賃金を得られない、つまり働いていない人間の存在を無視している感じが強くでてくるのだ。
賃金を得ている人にしても、今回、最低賃金(県別)がアップしたけれど、その額の少ないこと、全国一律ではなく、県別であり、満足のいくアップとはいえない。

耳にやさしい言葉であれば、受け手も喜ぶとでも思っているのか?と思うのは、「幸齢社会」である。
高齢の高を幸いに置き換え、高齢でも幸せに過ごせるように、という意図は伝わる。
ただ、そんなに漢字一つを置き換えただけで、どうにかなる、という問題ではない。
その実現会議はオレンジチーム、で認知症施策推進5か年計画を策定、それはオレンジプランと呼ばれるらしい。
そうか、色できたのか?
高齢者にふさわしい色は何か?いろいろ考えたのだろう。
オレンジ、なんだか若向きの色だが、ピンクというわけにはいかないし、ブルー、グリーン、レッド、ヴァイオレット、外国語でいろいろ検討したのだろう。
具合が悪いと、日本語や漢字より、外国語やイニシアルを使うのは常套手段だ。

認知症という言葉そのものがようやく浸透してきたけれど、ボケと言われるほうが症状がわかるような気がする。何でもオブラートにつつみ、はっきりしないように表現することで、物事は深刻さを隠すことができる。

その昔、ドゴール大統領(彼は将軍と呼ばれることを好んだが)の演説集というレコードをテープにダビングして、気持ちが滅入ったときの励みにしたものだ。
当時はゴーストライターなどいたのだろうか?
あるいは、ケネディ大統領の就任演説、あの力強さ、心ひきつけられる言葉、そんな演説を聞かせてくれる政治家は、日本に生まれないのだろうか。アジだけの政治家はご免だが。

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