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糖尿病の病名変更

9月22日、日本糖尿病学会と日本糖尿病協会は、糖尿病の新たな呼称案を英語名に基づいて「ダイアベティス」(Diabetes)とすると公表した、という記事が朝日新聞9月23日に載った。
糖尿病への誤解や偏見をなくすため、という。
また多くの患者らが病名への抵抗を感じていることから、呼称変更を検討していた。今後、患者や医療従事者らからも意見を募る、という。

私は糖尿病患者ではない、少なくともいまのところは。しかし、親族に糖尿病患者で、重症な人はいる。
なかなか手ごわい病気であることは理解している。
しかし、糖尿病という病名が誤解や偏見を招くものであるとはしらなかった。

糖尿病は、インスリンの不足や作用低下により、血糖値が高い状態が続く病気。国内で約1千万人の患者がいるとされる。(朝日新聞9月23日)

この頃、血液検査の結果がでてくるとき、血糖値というのはとても気になる。
そして、その値が高いとき、糖尿の気配が出ましたね、と言われるのだろうか。今のところ、そういう指摘をうけたことはないのだが。
ただ、糖と尿、という言葉から、尿、つまりはおしっこの変化には気をつかう。
色がつく(黄ばむ)、や甘い匂いがする、というとき、きっと糖尿の気配があるのだろう、と思う。
自分のおしっこのあとでは気付かなかったが、あるとき、友人が来た時、トイレのあとで匂いが残っていた。親しい仲だったので、そのことを告げると、その友人はそのあと、病院で検査してもらい、糖尿病の数値がでたらしい。

そうやって、尿で判断できるところもあるのに、患者の約8割が、「尿に糖が出るという不潔なイメージが不快」として病名の変更を望んでいた、のだそうだ。
検討の結果、国際的な観点や学術的な正確さから、英語表記の「ダイアベティス」が有力案になったという、ということだ。

病名というのは、なにかマイナスのイメージはあるものだ。
糖尿病が不潔なイメージがあるのか、私は感じないが、患者の感性はまた異なることもわかる。

英語名にして、そのイメージがなくなるのだろうか。
Diabetes、フランス語であればDiabete(アクセントの印がいれられない)、英語もフランス語も語源がギリシャ語だから似通っている。最初のdiaが突き抜けるとか、し通す、完全な、というような意味で英語の辞書によると、diabetesは「突き抜けてしまうこと」の意にもなるらしい。
フランス語の辞典でみると、ただ糖尿病というだけで、diabete sucreが真性糖尿病、diabete insipideが尿崩症とある。

英語のカタカナ読みダイアベティスにして、印象は変わるのだろうか?
この名称にして、果たして以前の糖尿病、と理解できるのだろうか。
やっぱり、呼び名は漢字を替えることで、名称変更といったほうがいいのではないか?と思ったりする。
医療者の中では、英語名でのダイアベティスが通称になっているのかもしれないが、一般の患者およびそのまわりにまで浸透するのは難しかろう。

日本語での名称変更にしても、「精神分裂症」から「統合失調症」へ、「痴呆症」から「認知症」へも時間はかかったし、また変更後の名称にしても、違和感をぬぐえないでいる。

これから、メディアなどを通じて、名称変更への道を歩むのかもしれないが、トイレでおしっこの色が変わっていた時、ダイアベティスかも?なんて思える日まで生きているのかな?
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