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ちょうどお昼になったころから雪が降ってきた。
最初はひらひら舞うという感じの降り方だったが、すぐにシャワーのように、というかすだれのようにというのか、音もなく、雪が音を吸い込んでしまったように、視覚だけの降り方だ。

たった3日前の大雪、まだその後遺症から抜けていないというのに、また積もりそうな雪降りだ。
普段でも人の動きのない、山の中の家、一軒家ではないけれど、住人のいる家、つまり夜になるとあかりがともり、それが見えるのは一軒しかない、そんな場所では、ひとしお孤独感がわく。

アダモだったか、シャンソンで「雪は降る、あなたはこない。。。。」という歌詞があったけれど、人の気配はない。と書いたところで、郵便屋さんが来た。はがき1枚の配達だ。
うれしい郵便だが、階段に積もった雪を踏まれてしまった。

今降っているこの雪は、なんと呼べばいいのだろう。
「雪」とつく言葉を書き留めたノートをみる。沢内風土記の天牢雪獄の部分からだ、とメモしているが、これが何なのか、調べてはいない。

薄雪、銀雪、小米雪(こごめゆき)、粉雪、細雪(ささめゆき)、粗目雪(ざらめゆき)、残雪、春雪、深雪、新雪、人工雪、根雪、白雪、初冠雪、花弁雪(はながらゆき)、氷雪、風雪、万年雪、夜雪(やせつ)、綿雪、とある。
今、降っている雪はこのなかのどれに当たるだろう。
特別の呼び名などなく、ただの雪なのかもしれない。

これらはきっと土地土地での呼び方、あるいは時代、または文学的呼び名なのだろうか。
ゆき、と呼ぶこともあれば、せつ、と呼ぶのもあるが、その呼び名がさだかでない(私にとって)もある。
細雪は、谷崎潤一郎の作品の名前でもあるが、あの作品に雪の降る場面があったっけ?
先日、写真がない時代、雪の結晶を描いた人の話を読んだ。何か、出版社の月刊出版案内の一冊であったが、雪片などすぐに解けてしまうものを描く、というのは大変な苦労だったろう。

小学生のとき、九州にいたが、雪そのものが降るのが珍しい土地で、雪の結晶をみてみましょう、と先生から言われて、むなしくはしゃいでいたことを思い出す。
今なら、こんなに降り続く中で、結晶を見ることもできるかもしれないが、寒い中、外にでるのもおっくうだ。

マルセイユに住んでいたとき、エックスの学校に通っていた。冬の悪天候でも、オートルートで出かけたが、途中で道路閉鎖となった。一般道路は通行可であったが、ナビのある時代ではなく、オートルートを使う道順しか知らなかった。一般道路の標識で、マルセイユというのをひたすら探しながら走った。
マルセイユのどこに入るのか、マルセイユの町自体を十分知っているとは言えないのに、標識をたよりに、雪道になりそうな道を避けなが走った。まさか、マルセイユで冬タイヤにする、とは考えていなかったのだ。
無事に帰りついたとき、もう疲労困憊だった。

寒冷地に住んでいるから、10月末には冬タイヤに変える。
高速道路に1日以上止められる、そんな異常事態もおきるのだ。
世の中、災難はいつでも思いがけないものだ。
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