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言葉の小さな疑問

先日からの桜を見る会問題について、国会答弁を聞いていて、おや、官僚の答弁だな、と思ったフレーズがあった。
それは、大塚内閣府官房長の答弁で、「招待者名簿は会の終了をもって遅滞なく廃棄する」の「遅滞なく」という言い方である。

大学を卒業して、社会人となったころである。官僚となった友人が、なにかの会話の折に次のような話をした。
「直ちに」、「速やかに」、「遅滞なく」という表現のなかで、最も重いものはなにか、もっともはやくにというのはなにか、というのである。
直ちにならat once, あるいはimmediately, right awayなのか、速やかにだとspeedily かsoonを思うけれど、遅滞なくだとwithout delayなのかな?遅れなければいいんでしょ、これは一番ゆっくりだよね、などと返事をすると、いやいや、遅滞なくが一番重要なんですよ、これには罰則が伴うんです、などと、なにかの例をひいて説明してくれた。

その時、文章を書くのが趣味だった私は、文学的表現のほかに、法律上の規制のある表現法というのが存在することを知ったのだ。
後日であるが、この表現例をほかの男性友人に話したところ、そんなの常識ですよ、と軽く言われ、社会人でも働く場所によって常識が違うことを実感したのだった。

そんな記憶があるために、「遅滞なく」という表現が極めて印象に残っていたのだが、内閣官房長というおえらい人が、「遅滞なく廃棄する」というのだから、やっぱり差し障りがある前に急いで廃棄したのだな、と答弁に納得(廃棄した行為についてではない)したのである。


この2日は、ローマ教皇についてである。まず、呼び方を法王から教皇に変える、ということが、新聞にものり、テレビでも報じられたのが、20日、21日のことだった。
これは政府が呼び方を「法王」から「教皇」に変更するという発表したことによる。その理由について外務省は、カトリックの関係者をはじめ一般的に教皇を用いる例が多いことと、法王が国家元首を務めるバチカン側に、教皇という表現について問題がないことが確認できたためだと説明していう、とのことだ。(朝日新聞11月21日より)

テレビでも教皇と呼んでそれはいいのだが、ローマ教皇フランシスコと何か、違和感のある呼び方をしている。フランシスコのあとに何も敬称をつけないのだ。フランシスコ教皇のほうがよかろうに、などと思いながら、さて、宗教人の敬称はなんだっけ、と思った。一度だけ、どこかのテレビで台下を使っていたが、猊下の表現があったのでは?と思い出す。

電子辞書で簡単に調べると、台下は貴人の敬称、猊下は高僧の敬称、各宗の管長の敬称などとあり、英語ではHIs Majesty, HIs Holiness, His Grace, His Eminenceなどが当てられるようだ。
これは国際的な儀典の問題になるけれど、こういったかしこまった呼び方より、このフランシス教皇は、我々カトリック教徒にとってはパパ様と呼びかけるのが一番あっている。

これは言葉の問題ではないけれど、雅子皇后の馬アレルギー、いつからでていらっしゃるのだろう。
何年前になるか、皇太子妃時代、適応障害の病名がでたあとであったか、たしか大変重要な賓客の宮中での昼食会を欠席されたけれど、その時間のころ、宮内庁で乗馬をしていらした、ということをきいたことがある。病気の治療にいい、という医者の勧めで乗馬をなさっていた、ということだったが、その当時は馬アレルギーはなかったのか、と思い出した次第だ。

歳をとると、若いころ仕入れた知識や記憶が断片的によみがえって、それがまた断片的であるがゆえに、正しいやら間違っているやら不確定であることをとりあえず記しておく。
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