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宗教って何(4)

今朝、ニュースを見ていて驚いた。
サルマン・ラシュディ氏が襲撃された、というニュースだ。
「悪魔の詩」(1988)の作者である。
アメリカ、ニューヨーク州で、講演会に出ていて襲われ、首と腹部を刺されて重傷だという。

また宗教がらみの事件がおきた。まだ宗教がらみ、と断定されたわけではないけれど。
彼が1988年、「悪魔の詩」を出版したとき、世界中で大騒ぎになった。
この本、読んだわけではないが、イスラム教の始祖、モハメッドを揶揄した内容だという。
イスラム教の信者たちが、この本に怒り、ラシュディ氏に対してはもちろんのこと、翻訳者にたいしても過激な行動にでた。

日本でも翻訳本がでたという。原書はもちろん、翻訳されたものも読んでいないのだが、邦訳した五十嵐氏とはあったことがある。
記憶にないのだが、五十嵐氏は当時、筑波大学の教員であったが、大学構内で殺されてしまったのだ。
翻訳したことで暗殺されるなんて、とショックを受けたのだが、自分に関係するとは思ってもいなかった。
事件後、ずいぶんたってのことだったが、帰宅すると、マンションの入り口に男性が二人立っていた。
何々さんですか?と問われる。別に否定することもなく返事をすると、警察のものです、という。
テレビの警察もののドラマのシーンと同じだ。
ただ。警視庁のものです、というのではなく、茨城県警のものです、という。

ちょっとお時間をいただきたい、と言われるので、入り口わきに止めていた車のなかで話をすることにした。
五十嵐氏をご存知ですか?Igarashi who?である。事件は知っていても、名前まできちんと憶えていない。

若いハンサムな警察官2名、きちんとした質問の仕方に、こちらも真面目に返事をする。
お知り合いではないですか?いえ、存じ上げません。
彼の著書のあとがきにあなたのお名前がありました。協力者として。
それなら、なにかの資料を提供するとか、調べ事をお手伝いしたのでしょう、あまり記憶していません。

本当に五十嵐氏の記憶はなかった。私の名前があとがきにある、という本は悪魔の詩ではなく、他の著作である。

結局、五十嵐氏を殺した犯人は見つかっていない。
おそらくは狂信的な信者であったろう、と推察するだけだ。

でも、悪夢である。今日は、ラシュディ氏の襲撃をみて、五十嵐氏襲撃の犯人がまだ見つかっていないことに、気味の悪さを再確認したのだった。
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