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トウキョウイットにはなれない

久しぶりに東京をうろついた。といっても都心ばかりなのだが、それでもよく動いたほうだ。そしてすっかり田舎者というのか、もう東京人とは言えないことを実感した。

まず、地下鉄などの交通網がわからない。以前は、銀座線、丸の内線、日比谷線この3つの線で動ける範囲に住み、かつ働いていた。だからとても簡単だった。どこかに行っても帰っても、銀座で乗換と思えばよかった。

今や、知らない線がたくさんある。そして相互乗り入れだの、旧名営団地下鉄と都営地下鉄がすぐに乗換ができたり、便利にはなったのだろうが、昔の知識ではカバーしきれないところが増えた。

きっと東京で生活していれば、その変化についていけるのだろうが、外国で暮らしたり、田舎に引きこもったりでは、変化についていけない。

かろうじて、パスモではないが、自動改札を通過できるパスをもち、いちいち切符を買うことはなくなったけれど、それだけに運賃がいくらなのかはわからない。

6月にパリから亡き父の甥夫婦が来日することになった。いつもパリではお世話になっているので、今回はこちらがお世話する番だ、と張り切っている。情報収集はお手の物のはずだった。JNTOの事務所へまずは行こう、と以前の知識をたよりに数寄屋橋へと行った。
ところがオフィスがみつからない。あれあれ、と探し回ったけれど、見つからない。携帯などの検索ができないアナログ人間、考えたのは帝国ホテルのコンシエルジュに聞くことだ。

数寄屋橋のJNTO事務所は閉鎖され、そこから一番近いのは新東京ビルにある事務所だと教えてもらった。
皇居沿いに歩く。皇居の景色は変わらないけれど、反対側の日比谷側のビルが知らないものになっている。頼りの警察署も工事中だ。

そういえば、数日前に以前の三信ビルあとにヒビヤなんとかがオープンしたのだ、とインプットされた情報を確認してみる。

この頃、東京を動くときには、地下鉄よりJRや地上を通る鉄道を利用している。今回も田町の駅の端っこに、しょんべん小僧の姿をみつけてうれしくなった。丁度新学年の始まりというので、ランドセルをしょって新入生スタイルになっていた。

東京を移動するとき、すべてに人だよりだ。どういう路線をつかって、どこで乗換、所用時間はどのくらい、とすべての情報を検索してくれる。もう昔の情報ではたりない。

こんなことで、パリからの客をおもてなしできるのだろうか。東京人をフランス語でいえば、トウキョイットというらしいが、もはや、その資格はないことを自覚した。
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