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間違ったフランス語

先日、その名前がフランス語でつけられたレストランで会食があった。初めてではない。2度目の会食の機会であった。

その名称は、フランス語でLever son verreという。ある大学の同窓会会館のレストランである。大学自体が定評があるのだが、この名称になんだか違和感があった。

日本語になおせば「盃をあげよう」あるいは「盃をあげて」とでもなるのだろうか。それをこちらはあまりフランス語文法に詳しくないのに、勝手に、もし盃をあげようというのなら、動詞の原型ではなく、Levons nos verresとでもなるのでは?、あるいはLevez vos verresみたいになるのでは、などの疑問点をあげていた。

レストランで先にアペリティフを持ってきてくれたボーイさんにこんな疑問を投げかけた。ボーイさんは、そうですね、この名称に疑問をもたれるお客様は時々いらっしゃいます、という返事。
やっぱりそうね、と、こちらは我々の疑問に正当性を感じていた。

ところが、会食仲間のフランス語通にこの疑問をもちかけたところ、別に間違いではないわ、正しいのよ、という返事が返ってきた。
まず、こういう表現では動詞の原型を使い、また三人称で所有格を表現する原則なのだという。

どうしましょう、こっちが間違っていたのか、と恥ずかしいやら、悲しいやら。

めったなことで、外国語表現を批判してはならない。いろんなバックグラウンドを承知した上で批判というか、判断すべきなのだ。

一度、ナポレオンの手紙を見てください、とテレビ局に頼まれたことがある。ナポレオンがジョゼフィーヌにあてた手紙なのだが、最初にvousという表現があり、最期の方はジョゼフィーヌをtuとしていた。最初のvousは丁寧語と判断したのだが、それはジョゼフィーヌとその子供たちのこと、複数形であることを、あとになって理解したのだ。
断片で判断したため、不思議に思いながら、訳出したのだが、冷や汗ものでもあった。

そんな経験をしながら、やっぱり変な、間違いと思うフランス語には反応してしまう。渋谷のデパートでみかけたB.d.O.(Bains de objets)というお店の名前、お風呂関連の品を扱っているのだが、このフランス語もやっぱり気になる。
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