SSブログ

ミシェル・オバマの「マイ・ストーリー」を読んで

今年はアメリカ大統領選挙の年である。
アメリカの大統領選挙のシステムはどうもわからない。
世界で最も影響力のある人間の一人であるアメリカ大統領、あんなにわけのわからない方法で選んでいいものだろうか?と思うのは、私の無知ゆえであって、あの制度、もっとわかりやすいものに変えようという動きはないらしい。

同じ大統領でも、アメリカよりもっと権限が強いといわれるフランス大統領選挙なら簡単に理解ができる。予備選挙というものがない。立候補に推薦人が必要とか、供託金とかもちろんあるけれど、クリアするのがそんなにむずかしいものではないから、1回目の投票にはけっこう人数がいる。そこで過半数を得る候補者がいなければ、上位2人で決選投票、1票でも多いほうが当選というわけだ。

アメリカは広大な国土、大変なお金と力を使っての長い選挙戦を戦って選ばれるのだから、それは立派な人物が選ばれるのかというと、結果はそうでもないケースもある。
しかし、いったん選ばれると4年間、現職の強みで再選されればさらに4年間、その大統領を受け入れない人にとっては暗黒の年が続くことになる。

ミシェルの夫、バラク・オバマは2008年から2期8年間、アメリカ大統領だった。
この本は、ファーストレディとしての自伝だが、幼少時からどういう両親で、どんな家庭であったか、どんな教育を受けたか、どんな思想をもつようになったか、原題がBECOMINGだから、そういう生い立ちを詳細に書き記している。

バラク・オバマにその妻ミシェルは、私にはとても好ましい大統領夫妻であった。
興味をもって読み進んだ。人名、地名になじみがなくて大変な部分は仕方ないこととして、原文がいいのか、翻訳がいいのか、こちらが興味をもっているからかなのか、読みやすかった。
これはヒラリー・クリントンの自伝と比べてのことだが、ヒラリーの本は途中であきらめてしまった。

アメリカははたして民主国家といえるのだろうか?と選挙制度をみて思う。なら、日本も民主国家と言えるか、と言われると、すべての面でそうだとは言えない。

首相が直接選挙ではなく、国会で選ばれるという点での弱点はあるし、それが強みになっているのかもしれないし。
なぜ、首相は直接選挙でないのか、それは直接選挙で選ばれたとき、天皇の存在とどちらが優位であるかという問題がでてくるからだそうだ。

この国の制度が完璧です、なんて制度はいまのところありそうにない。どの国も制度と実態になにかの矛盾がある。

ミシェル・オバマは大統領夫人であったから、大統領としての能力の有無は判断できないけれど、彼女が黒人としては最初でないにせよ、女性としては最初の大統領になるかもしれない、という期待はあるらしい。私もとても期待しているのだが。
nice!(0)  コメント(0)