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引き出物はカタログで

結婚式に出て、気が重いのはお祝いと、そのお返しというのか、引き出物である。

まず、お祝いは金額を決めるのが、現在の相場を知ることに始まり、熨斗袋のお祝い用(結婚用)を買い求め、名前を毛筆で書きこむ、これだけの作業で疲れる。受付でお渡しするときに、袱紗を用意していかなければ、と年配者らしい配慮もする。

そして席に座ると同時に足元に置かれた引き出物のはいった袋。いりません、と言いたいところだが、失礼にあたろうと、それは言わない。

引き出物がものではなく、カタログになったのはいつのころからだろう。私がお年頃の時代には、しっかり現物で渡されるものだった。
重たい陶器やガラス製品というものが多かったが、これらは、割れても数が増える、つまり子孫が増える、という解釈で選ばれるというようなことを聞いたこともある。
どなたの結婚式であったか、確かに覚えていないのだが、象彦の品などは、ずいぶん長く使って、菓子皿などはまだ使っている。

外国で知ったかたの結婚式の引き出物は、デミタスのカップだった。ずいぶんしゃれたものにしたのね、と思ったが、日本でデミタス?使うことはないんじゃない?と疑問に思い、また我が家でも使ったのは一度、2度であった。自宅のランチで、食後にコーヒーということはあっても、デミタスを使うエスプレッソというケースがないのだ。

いつ頃からなのか、おそらく2000年以降のような気がする。

自宅に帰って開いてみると、全ページカラー、345ページもある。重い。Moageというタイトル、なんという意味なのだろう。和製英語というのが苦手だ。
中の品々を見ていると、だいたい金額の予想はつく。こういう判断をするのは、年配者のいやらしさだろうか。
引き出物といえば、あの人たちの結婚の記念品ね、と思い出すよすがになるもののはずなのに、このカタログからの選択となると、コストパーフォーマンスを考えたり、もう品はいらない、それなら食べ物にするか、といった現実的な選択になってしまう。

そもそも引き出物など必要なのだろうか。結婚式のスタイルも大きく変化しているのに、こうして引き出物は残っているのを、若者は疑問に思わないのだろうか。

品物を贈るというのは、香典返しもある。これにもカタログで、というのが増えてきた。
香典返しについては、仏教上の意味もあるということも聞いたが、私はしなかった。香典も辞退したい、と言っていたが、それもできないとき、香典返しはいたしません、と宣言。
実際に香典そのものも、ある団体への寄付という形をとった。

結婚についても、お祝いは新生活を始めるにあたって、ありがたいものだろう。しかし、引き出物が記念品でないのなら、カタログという形なら無意味ではないだろうか?
このカタログ、送り返して、再利用してほしいものだ。
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