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ALSで逝った友を思う

今回の参院議員選挙では驚きがたくさんあった。
まずは、れいわ新撰組とN国なる政党の存在である。

ネットで情報を仕入れることはしないので、新聞やテレビというマスメディアに依存している私にとって、結果がでて初めてその存在を意識したのである。

特に、れいわ新撰組の比例代表で選ばれた2人の候補者が、いずれも重度の障碍者であったこと、そしてその一人がALSの患者であったことは、いわばショックだった。

ALSという難病、ずいぶん昔から知っている。というのは、1994年、43歳の若さで亡くなった友人が、まさにこのALSにかかり、その病気がゆえに亡くなったからだ。
ALSは、この友人がかかったからこそ知った。そしてその病気は当時あまり知られていなかったので、彼の言葉で言うならば、「宝くじの1等に当たったようなものですよ」だったが、その後、有名人にも患者がいて、けっこう罹病率が高いことを知った。

この頃お知り合いになった同じ村の友人のご主人もALS患者だったとか。

友人は、頭もよければスポーツもする、健康そのものの人だった。ただ、酒飲みなのが欠点だったが、慶応病院でALSという診断が出たとき、飲酒との因果関係はない、と言われたそうだ。原因不明なんです、となんとも無念そうな、納得いかない表情だった。

自宅での療養になったとき、病気を知ってのちの最初で最後のお見舞いに行ったのだが、会話はできず、奥様が示される五十音表だったか、アルファベット表だったか、それを目で追うというスタイルで会話をすすめたのだった。

どういう治療がなされたのか、私は知らない。しかし、ips細胞を利用した治療法も研究されているとか。

この参議院議員にえらばれた方が罹病されて何年たつのか、まだ彼のプロフィルを調べていないけれど、もし、友人がまだ存命中であれば、どんなにかはげみになっただろうに、と思わずにはいられない。

「頭のいい人がかかる病気なのかも」と言った私に、「そうとでも思いますか」と自らを慰めた風に言っていた。アメリカでは昔のプロ野球選手がかかったことで、ゲーリック病?ともいわれるのだとか。

友人は結局、自宅で療養を始めて、そのまま亡くなってしまったけれど、この参議院議員のように、外に出ることができれば、どんなによかっただろう。
彼も最後まで頭脳は明晰で、仕事を続けていたということだが、こうして、外にも出て活動まではできなかった。

今でも、ALSにかかる原因はわからないのだそうだ。だからこそ、治療法も確定していないのだろう。ただ、進行を遅らせることしかできないらしい。

どうか、この議員が、任期を全うし、その任期中に彼が実現したいと思っている政策が現実のものとなりますように。

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