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究極のエコ生活(見聞録3)

水上生活者は、東南アジアでは別に特別なものではない。河川、湖、海、水辺にはなんらかの生活者がいる。
今回見たミャンマー、インレー湖はそのエコぶりが際立っていた。

考えてみると、自分の生活範囲に、必要なものがそろっていれば、一番便利な生活といっていい。
そういう意味でみれば、インレー湖の人々は、そんな生活を送っている。

家は、竹やヤシの葉で作られている。竹もヤシも近間ですぐに手にはいる。
水辺でから、高床式に建てられ、風通しはいい。

飲料水を除けば、水は周囲に余るほどにある。その清潔度は現在は落ちているが、これだけの人口密度でなかった時代は、それなりによかったのだろう。
水浴、洗濯、食器洗い、すべてに湖水を利用できる。

熱源は?は確認できないが、おそらくは七輪のようなもので、簡単に火をつかっていたことは想像できる。
移動は、小さな手漕ぎのボートがあればいいのだろう。今では、長いボートに発動機がついているけれど、手漕ぎであれば、エンジンも燃料もいらない。

こんな生活でよし、とすれば、ほとんどにお金というものがいらない。米は浮島ではできないだろうが、野菜はできる。米は陸地部分から入手し、湖で魚をとり、もしかしたら鳥なども捕獲していたのかもしれない。


そこに、現在の生活を移せば、この水上生活は最貧の生活となる。家はほったて小屋、トイレもない、いわゆる保存のきくものが何もない生活だ。
結局、意識の問題ともなるのだろうが、もし、彼らがそれでいい、としているのなら、こんなにシンプルな生活はない。

ミャンマーは貧しい国だ。最貧国の一つに数えられている。首都やヤンゴンなどでは都会らしい華やぎがあるけれど、その外に出れば、あかりもない、お寺や僧院を除けば、建物らしいものがない。1日で建てられ、1日で壊すことのできる、そんな家しかない。
しかし、それを不幸と思わなければ、別に貧しい生活ではない。

私にはできないけれど、土間に竹製の椅子にのんびり座っている人をみると、それこそ、幸せってなんだろう、と考えるのである。

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