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懐かしの映画シェルヴ―ルの雨傘

今週のBS3、午後1時からの映画の時間は、フランス映画を扱うらしい。昨日は「男と女」だった。ダバダバダというメロディとも歌詞ともつかぬ音を懐かしく思い出した。

さて今日はシェルブールの雨傘である。見る気はなかった。というのも、主演のカトリーヌ・ドヌーヴの若い時代を見るのがやるせなかったのである。
でも見てしまった。そしてこの映画が日本で上映された時代、私は大学生だったが、その時代のことを思い出した。

この映画はとてもショッキングだった。現代風オペラというのか、せりふは歌で言われるのだ。だからフランス語がゆっくりで、聞き取りやすいということもあった。

この映画をみて以来、シェルブールという地名は特別なものになった。そののち、パリに一時滞在しているとき、アルバイトをしていた日本企業の仕事で、シェルブールへ行くことになった。
市街地を散歩し、雨傘屋があれば、絶対傘を買う、そして、シェルブールの雨傘よ、と自慢する、と心に決めて出かけたものだ。
しかし、自由時間が少なかったこともあって、雨傘を手に入れることはできなかった。そして、街並みは、映画ほどロマンティックではなかった。

この映画、母と娘が主人公なのだが、母子家庭となって、貧しい生活をしている、という設定なのに、なぜか、ブルジョワのような雰囲気なのだ。
お昼ご飯に、野菜だけが出ている。セロリが1本、お皿にのっていて、カトリーヌ・ドヌーヴがそれをかじる。
このとき、私はこの野菜を知らなかった。当時、そんな洋野菜は売っていなかった、少なくとも九州の街では。

母と娘の関係も興味深いものだった。母は宝石商との結婚をしてほしいと思っているけれど、半分、自分がその相手になりたいような、そんな雰囲気も漂わせている。未婚のまま、妊娠した娘を責めるけれど、それかといって、中絶などは考えない。当時、中絶は犯罪であったし。

徴兵制度の時代でもあったのだ。それも2年間という長期にわたっていた。
アルジェリア戦争の時でもあったのだ。

映画をみながら、その時代のフランスを思い出す。そんなに知っているわけではないが、現在とは大いに違ったフランスだ。

Je t'aime、とかNe me quitte pasといった表現がなつかしい。ロマンティックな時代だった。

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