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ワンコインコンサート

先日の夜、村のメインホール(会館の大ホール)でピアノコンサートがあった。お知らせは村の広報で1カ月前くらいにあり、夜7時から8時までの1時間、料金が500円、ピアニストは芸大卒で、世界のいろんなコンクールで上位の成績を収めている、という経歴の持ち主である。

それだけの条件をみると、これはすばらしい。まず、料金が考えられない金額だ。1時間というのがまた集中して聞ける。プログラムはその時点では不明であった。

否定的な条件は、会館大ホールであること。つまり音響効果が期待できない。それにピアノがまた演奏用のものではない。一般の人にも使わせるピアノで、使ったことはないけれど、プロの演奏会に使用できるとは考えられない。

でも、村にきて、初めてのピアノ独奏のコンサートだ。きっとプログラムもクラシックの曲だろう。音響効果については、なるべく前の席に座れば、直接の音が聞けるから、変に反響したり、割れたりしなくてすむだろう、と考えた。

このコンサート、隣県の都市と連携事業ということで企画されたもののようだった。
ピアニストは、現在はウィーン在住で、活動しているという女性。とても美人である。
プログラムはショパンが主で、あとバッハ、ツェルニー、シュトラウスが1曲ずつ入っている。

久しぶりの生演奏だった。ピアノはやっぱりちょっとひどかった。高音部がやけに響きすぎる。
隣の小学校のピアノを運んだのだそうだ。
ベーゼンドルファーでもスタインウェイでもない。ヤマハである。別にヤマハが悪いのではない。ただ大きさが、我が家のグランドよりもっと小さいような、物足りなさがあったけれど、聴衆が100人くらいであれば、それはそれでいいのかもしれない。

ピアニストの語りもはいって、とても充実した、雰囲気のいいコンサートだった。
私といえば、真ん前の丁度鍵盤を直線で見通すところに席を得て、こんないい場所で聞けるなんて、嘘みたい、と感激だ。舞台上にピアノがあるわけではない。同じフロア―なのだ。

アンコールで弾かれたショパンのノクターン2番、わが持ち曲だ。ずいぶん解釈が違うこと、と暗譜したくらい弾いている曲なので、自分との違いが歴然だ。もちろん、私の解釈が楽譜通りではなかったり、技量の差が歴然なのだが。

こんなコンサートが年に3,4回あれば、この村に定住した喜びが感じられるのだが。

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