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できる男の話法

先日来、日・仏両国の男性とじっくり話す機会を得た。そこで気づいたこと、それは、彼らが実によく人の話に耳を傾けるということだ。

二人とも、自営業というのか、自分で会社を経営している。そして人と会うことが仕事の半分以上を占めている、という点で共通していた。

日本人の男性は、数年ぶり、それも5年以上も時間を経過して会ったのだった。この間の話はたくさんたまっている。私は配偶者の死去ということがあった。さて、彼にはどんなことがあったのやら、お互いの近況というのか、この5年間の事件を話していく。

予想以上に彼には波乱万丈の事件が押し寄せてきていた。私に起きたのなら、パニックになって、人と会うのもいやになるだろうし、笑いながら話のタネにすることはできないだろう。
それを話しているのに感心したのではない。その合間に口をはさむ私のくだらない話をきちんと聞きながら、自分の事件の一切を話し切ったことに感心したのだ。

途中で、ちょきん、ちょきんと話しを切ってしまう私に、腹をたてることなく、私の話も聞き、話法にすっかり感心した。

そしてその翌日、フランス人の男性と会話したのだが、彼もまた、よく人の話を聞く人だった。
数人で会食しながらの会話であったが、一緒にいる人の話もはいるし、話題があちこちに飛んで行った。その中で、それぞれの話にも対応しながら、中心の話題にかならず戻るのだ。
そのやり方の自然さに驚いた。決して乱暴に話を中断させることはない。

自分の話法の幼稚さに気づかされた。女性にありがちなことだが、必ず話に自分の場合はどうだ、ということを話し始める。そして、話をあちこちに飛ばすことが、話題の豊富さを示すとか、頭がいい、と思いがちなのだ。

そうなんだ、じっくり人の話に耳を傾ける、これが会話の基本なのだ、と気づかされたのだった。
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