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コンゴという国

月曜日の朝だったろうか。BSの放送で、「コンゴの現状」みたいな特集があった。
今、400万人からの飢餓難民が発生しているのだそうだ。

その理由として、政情不安、つまりは内乱が続いている、経済の不安定さ、外国の干渉などが挙げられていた。

2000年にこの国から日本に帰った。つれあいと私がコンゴに行ったのは、32年間、独裁政権を維持していたモブツ大統領が追放され、カビラ大統領となった時だった。
日本に帰ってしばらくしたとき、このカビラ大統領が暗殺され、その息子が後を継いだ。

北朝鮮ではないが、父から子へという内輪の政権移譲、そこに暗殺という特別な要件が絡んでいたけれど、野党からの候補というのが出ないのが、閉鎖的な政情を表していた。

その後、何か変わったか。国民の生活はよくなったか、国内の経済は安定したか、政治的な自由は認められているか、何も変わっていないようだ。

パリで会った、父の家にきているキンシャサからのお手伝いさん、彼女は何もよくなったことはない、と絶望的な表現で話した。

400万人が飢えるというのは大変なことだ。子供の飢えを問題視しているが、子どもが飢えているというのは、親も食べられていないということだ。

ポトポトというおかゆを思い出す。週に1回、カトリックのシスターたちと地元の女性で、子どもたちにポトポトの炊き出しをしていた。トウモロコシの粉をメインにすこし砂糖で甘味をつけて、どろどろのおかゆにする。
それを子供たちは容器にもらって、まだ相当熱いのに、急いで食べる。

自宅に持ち帰る子供もいたが、シスターが、自宅に持ち帰ると、自分が食べられなくなることもある、と心配していた。親が食べることもあるのだそうだ。
アフリカとくくってはいけないが、日本だったら親は食べなくても子に食べさせるけれど、ここではまずは親が食べるのだとか。

帰国してもう18年たつ。つれあいもいなくなった。何かしたい、と思っても、シスターたちも帰国され、とっかかりがない。
あのおかゆの行列に並んだ子たちは、もう20歳をすぎているわけだ。生きているのだろうか、何か仕事にはつけているのだろうか。

どうしようもない国である。

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