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ハキダメギクよりみじめな言葉

今日の朝日新聞、天声人語に植物の呼び名のことが書かれていた。小さな白い花なのに、ハキダメギクと命名されてしまった植物、これは掃きだめで見つかったから、そういう名前がつけられ、現在も変わらず使われているのだそうだ。

次に「豚のサラダ」が訳されたブタナというのもある、とある。タンポポに似るが、茎はすらりと長い。群生すると、たくさんの黄色い点が空中に浮いているかに見える花である、ということだ。

フランス語で気の毒な名前はpissenlitである。タンポポのこと。ベッド(lit)の中でのおしっこ、つまりはおねしょのことなのだろう。タンポポに利尿効果があるのでつけられたのだろう。
フランスから帰ってきて、タンポポをみるたびに、おしっこをしたくなったのはこの言葉のせいである。

南仏に住んでいたとき、家事を手伝ってくれていたフランス人女性が、庭のタンポポをつんでもいいか、ときいてきた。雑草だし、なんにするのか、と聞くと、サラダで食べるのだという。「おねしょ」を食べるのね、と思いながら、好きなだけ摘んでいいわよ、と返事したものだ。

この豚のサラダ、気になって辞書をみた。学術用語なのか、Lactuca pernnisとあり、salade de porcとも書かれている。プタ菜と訳されて、それがブタナとなったのだろう。Lactucaはレタス、チシャのことだという。

ブタナも食べられるのかは知らない。でも、言葉次第では食べたい気持ちになれないものもある。
名前も大切な要素だ。

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