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指輪のオパールがなくなった

土曜日の昼、渋谷で女子会ランチをした。女子だけという気安さから、イヤリングをはずした。ピアスにはしていないので、ふつうにはさんだ形のイヤリングは、長時間すると耳たぶが痛くなる。

そんな動作をみながら、女子会の面々が私のアクセサリーを話題にのせた。久しぶりの東京、イヤリング、ブレスレット、ペンダント、そして指輪と一通りしている。

前々日の花見の会の席でも、アクセサリーが話題になり、少し大型の指輪が注目を集めた。だから、何も考えず、指輪の説明を始めた。

オーストラリアの友人が日本にきたとき、おみやげにオーストラリアオパールをお土産にくださったのを、アフリカ赴任のとき持って行って指輪にしたの、と説明したところで、女子会メンバーの不審そうな視線に気が付いた。

えっ!!オパールがない!指輪からすっぽりオパールが抜け落ちている。周囲の金の部分はあるけれど、抜け落ちた部分は指がみえている。

女子会メンバーによると、レストランの前で落ち合ったときから石はなかったという。
朝、出かける時、指輪をはめてもなにもおかしいところはなかった。だから、それから女子会までの間に落ちたものだろう。
探しようはない。小さな石だ。

こういう時、何かの不幸、不都合をこの石を紛失したことで免れた、と考えることにしている。でもがっくりだ。

オパールは10月生まれの誕生石、私の誕生月ではない。ただ、オパールは好きな宝石で、ペンダントなども持っている。特別のデザインでもないが、大振りに作られた指輪は気に入っていて、よく身に着けていた。
フランスでもよくはめていたので、従妹が目にとめ、とってもいい、とほめてくれたばかりだった。

どんな不幸を免れたのだろう。交通事故か転倒か、盗難かもしれない。なんだか、大きなことばかり想像して、その代償なのだから仕方がない、と思い込もうとする。

すっぽり穴のあいた指輪、いずれ金として売ることになるのだろうが、しばし、名残を惜しむことにしよう。

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