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公共輸送機関での人身事故

先日、成田から東京へ向かっていたときのことである。乗車した成田エクスプレスは、乗車駅である成田から、降車駅である東京駅までノンストップ、この調子なら1本早い北陸新幹線に乗れるかも、とすでに自宅へ帰り着く時間を考えていた。

ところが、千葉駅を出てしばらくしたところでストップだ。なんだ、なんだ、と騒ぎたてるほどの乗客はいない。私の乗っている車両には、外国人が10名弱乗っているだけだ。

しばらくして車内放送があった。日本語である。我々の列車より先行している列車が、人間と接触事故を起こしたので、しばらく様子見に停車します、というような内容だった。
接触事故というのなら、ドアが閉まるときに、滑り込みを狙った人がいたのかな?ころんだ程度なのかな?少しはドアに挟まれて引きずられてのかな?などと考えている。

通路を隔てたところにいる外国人のカップルは、様子がわからないまま停車が続いているのに、不安げな様子だ。
その時の私の解釈は、accidentではなくincidentであったので、そのような説明をした。もうじき動きますよ、と。

次のアナウンスでは人身事故となった。結局、状況を調べ、接触事故ではおさまらない人身事故となったのだろう。
しかし、アナウンスの内容に、こういうべきなのだ、という表現を知った。つまり、人身事故そのものを調べることもしているだろうが、後始末の表現だ。きっとばらばらになってしまったのだろうが、それを片付けるという表現は使わない。救援作業をしている、というのだ。

外国人のカップルには、人が死んだらしい。きっと列車に身を投じての自殺だろう、と説明した。
ようやく英語でのアナウンスがあったけれど、それは人身事故といった表現ではなく、予期せぬ事がおきての停車である、ということだった。

先日は、東海道新幹線であったか、そこでの人身事故は、その影響が大きかった。東京駅のみならず、新大阪までの各駅、そしてその先まで、なんという人数だったろう。
あの新幹線に乗れなくて、辛抱強く待っている人たち、運転再開が何時だったのか、何時まで延長して運転されたのか、最期までの報道はなく、こちらも直接の影響がないのでそのままにしてしまったが、JRをつぶすのには、人身事故が数件続くだけでも可能ではないか?と思ってしまった。

人身事故と言われる事故の98%は、自殺なのだ、と友人の一人が言ったことを記憶している。どこからその数字がでたのかわからないけれど、残りの2%は、踏切事故などでの死亡らしい。

東京などの都市圏では、運転の頻度が高い。そしてその頻度がきちんと守られていることが絶対条件になっている。
この事故は、何万人に影響した、などと報道されたりするが、自分が影響をうけた一人になったとき、なんともやるせないものだ。

なんで投身自殺などをしたの?と率直にききたい。どんな事情があったのか、瞬間的な衝動なのか、それとも思い余ってのことなのか。

人身事故で交通が止まっていることの報道はあっても、その原因となった人の名、背景などは報道されない。翌日になってもなにもわからないままだ。

あんなに大きな迷惑を受けたのに、その原因がわからないのは納得できない、と思うが、それを突き止めるにはなんだか差しさわりがありそうな気になる。

認知症の高齢者が家を抜け出て、事故の原因になったとき、家族の監督責任が問われ、損害賠償も求められたけれど、新幹線などでもそれは同じなのだろうか。
定時運転で驚異的な評価を得ている日本の鉄道だが、こういう弱点は無視されるべきではない。

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