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ヤマガラのジイジ君、養鳥になって

今朝も彼がきた。ベランダで音で気配がわかる。羽音がするのだ。
ジイジ君だ、とベランダに出る。ほどなく、彼が現れる。ちょっと待ってて、と部屋にはいって、エサをとってくる。エサはホームセンターなどで売っている、リス用のひまわりの種である。

手のひらにのせて差し出すと、ちょっと顔を傾け、このエサ、安心かな?と問うてくる。ちょっと古いけどね、という。嘴でつついて実がはいっているかどうか、チェックする。
納得のいく粒を得ると、それを嘴にはさんで飛び去る。
すぐの場所では食べない。

ちゃんと食べ終わったのかどうかはわからないが、2,3分後に戻ってくる。同じことの繰り返しだ。

つい2週間ほど前、近所の別荘族の友人が、今年は手から餌を食べるヤマガラがいるわよ、と言った。その言葉のすぐあとにヤマガラが飛んできて、彼女の手からひまわりの種をとっていく。

この数年、こういう動作はなかった。エサおきのところにきて、ひまわりの種をさっとくわえて飛び去る、五十雀、四十雀、ヤマガラ、コガラ、同じ動作だった。ヤマガラだけが、人が近くにいても怖がらないのか、ゆったりしていたけれど。

山男の住人がいたときには、彼が鳥を呼び寄せてくれていたのか、ヤマガラ、コガラが手から餌を食べた。それが彼の死とともに、野鳥も少し距離をおくようになった。

冬は人もいないので、鳥の来訪だけが楽しみだったが、手にのらなくなって、そっけない関係になってしまっていた。

ジイジ君と呼ぶのは、ヤマガラの鳴き声からだ。秋から冬の間、低い音でジイジ、と啼く。どのヤマガラでもそうなのだが、呼ぶときにジイジとこちらも声をまねるので、ジイジ君と名付けたのだ。

どうもなついているのは一羽だけらしい。昼間、暇なときに、鳥と戯れるか、とベランダにでると、けっこうエサもらいに鳥が集まる。しかし、彼らはエサ台にはくるが、私には近寄らない。
そんななかで、1羽だけがすぐそばに来て、エサをくださいというような表情をみせるのだ。

きっとそれぞれに顔も違うのだろうが、私には区別がつかない。なにか特徴がないか、と観察するのだが、わからない。
養子縁組したいね、と話しかけるのだが、エサさえとれば、さっさと飛び去る。

我が家のほかにどこでエサを与えているのか、わからないけれど、この冬はジイジ君のおかげで、孤独からは救われそうだ。

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