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子どもの貧困=家庭の貧困

このごろ、子どもの貧困ということばをよく聞く。なにか違和感がある。子供って独立の経済性をもっているの?と思うのだ。子供は誰かに扶養されているはずだ。子供が貧困というのは、その育っている家庭が貧困ということ。つまり、家庭の貧困をどうにかしなければ、子どもの貧困は救えない。

身近に子供がいないので、なかなか子供の貧困といわれても、実態がわからない。しかし、相談員のような仕事をしていたとき、家庭の家計を聞いて驚いたことがある。
小・中学校は義務教育だから教育費はかからない、というのが原則なのだが、予定外の支出が実に多い。給食費がその代表だろう。給食費を払わない家庭を問題視することもあるし、払わない家庭が必ずしも貧しいのではなく、親の勝手な理屈で払わないなどもあるのかもしれないが、給食費が貧しい家庭の負担になっているのも事実だ。

しかし、昼の給食で、最低の栄養補給が行われている家庭もある。給食費を払わないから食べさせないでは、バランスのとれた食事の唯一のチャンスをとりあげることになる。
学校というのはいろんなお金を必要とする。材料費などが徴収されることもあるし、PTA会費を払うところもあるかもしれない。小学校の場合は部活はないだろうが、クラブのような組織に所属したりすれば、また別の出費が待っている。

子どもの貧困といえば、子どもだけ救えばいい、とも考えてしまうけれど、家族全体の貧困を解決しなければどうしようもない。

高校の無償化がいわれているけれど、ある貧しい母親の言葉を思い出す。その人の子は高校生で、奨学金を受けるか、親の収入が低いから授業料免除かだった。無償化されれば費用が掛からなくなっていいですね、と言ったところ、またこれで格差ができるんですよ、高校の授業料がいらなくなれば、豊かな家庭はその分を塾だとか、いろんなところに使うでしょう、我が家はそんな余裕がないだけ、また差が大きくなるんです、と。

大局的にみれば、高校授業料の無償化は子供たちの進学に役立つ措置だと思う。個々のケースを扱っていられないかもしれないが、貧困から、体験格差、たとえば、夏休みに海水浴に出かけることができるかどうか、そんなこともでてくる。

格差スパイラルなど、心の重くなることばかりだ。

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