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50年前のレース生地

涼しいはずの高地に住んでいるが、この数日、日中は30度をこえる。さすがに屋外の仕事はできず、いくらか涼しい室内での仕事をする。

1昨日あたりから、つれあいの部屋であった8畳間とサロンの間にカーテンをつける作業をしている。冬場は引き戸を閉めるのだが、夏の間はすべて開けっ放しなのだ。
今や一人暮らし、開けっ放しでもかまわないのだが、人が泊まりにきたとき、なにかさえぎるものがほしいと思ったのだ。

そこで引き出したのが50年前のレースの生地である。これはその当時の婚約者の母親からのプレゼントであった。結局、婚約は解消し、婚約指輪などは返したものの、レース生地はそのままになっていた。

当時はこうして生地をいただいて、仕立て屋さんにお願いしていたものだ。ちゃんとした服はオーダーで、既製服は簡単な服だけ、という時代だったのだ。

見事なレース、こんな生地を仕立てに頼んだら、どのくらいの費用がかかるものやら、それに白のレースを着るような生活でもなかった。そんなこんなで、それかといってだれかにあげるか、ということもなく、いまだ持ち続けたものだ。

カーテンにするにはためらいもあったけれど、思い切って半分に切る。端っこをかがって、棒に通し、かけてみた。
少し重みもある。なかなか立派なカーテンになった。母が生きていれば、まあもったいない、と嘆いたことであろう。

今日は風もなかった。はたして、このレースの隙間から風が通るだろうか。姉たちはどう評価してくれるだろうか。
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