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田舎暮らしの落とし穴

山の中、寒冷地、そんな土地に住居を変えてから、ほぼ10年たった。
今は秋、キノコがとれる季節だ。ところが今年は天候のせいなのか、あまり見つからない。

退職後の人生を田舎で暮らそうというようなキャンペーンもあるし、また田園での生活が人生の後半をすごすのにいいというのは事実である。
お金もかからない、というのはいささか疑問ではあるのだが。

春には山菜、秋はキノコ、と食べ物が無料で手に入る、ということもよく言われる。それも事実ではある。春の山菜には、山ウド、タラの芽、ふきのとう、コシアブラ、こごみ、など、まだまだあるのだが、結局、よほど好きならともかく、毎日は食べられない。ほとんどが天ぷらで食べるのがいいものだが、毎日天ぷらというのもしんどいことだ。

この頃では、タラの木が邪魔になっている。わが庭にはたくさん生えているのだが、草取りをするとき、とげが痛くて、いつも困っている。そしてまた、いろんなところから出てくるのだ。

秋のキノコも、どのキノコを食べられて、どれは毒があるのか、素人目にはわからないし、こわごわ食べるのもおいしくないものだ。
最初のころは栗もよく拾った。山栗なので、小粒で、渋皮煮などにはむかない。ゆでて、半分に切り、なかの実をスプーンでくりだし、茶巾絞りなどを作ったものだ。
栗拾いも、腰をかがめるのが大変になって、この数年はやっていない。

究極の田舎暮らしの落とし穴は、公共交通機関がないことだ。最寄りの駅まで6キロ、車がなければ無理な生活だ。
また、冬の寒さにもつれあいが悲鳴を上げ始めた。生半可な寒さではないし、昨年の豪雪もこたえたようだ。

さあ、それなら都会に戻るか。「老後は銀座で」という本もあった。銀座なら便利だろう。しかし、それが可能とは言えない。この頃、東京のマンションはとても高いらしい。

昨夜の皆既月食はとうとう雲にかくれて見えなかった。一時期、雲の合間からみえる!と思ったものの、隣家の木々に妨げられて見えなかった。

空気のよさは誇りうるものだが、それだけでは暮らしはなりたたない。10年前には考えの中になかった不都合がどんどん積み重なってきている。

この田舎暮らし、いつまで続けられるだろう。
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